【模型メーカー側】:元々の30MSシリーズは、「ガールプラモとしては安価」+「組み替えが売り」だった。言い換えれば、キャラデザは大人しくて味気ないものが多かった。しかし今回、既存キャラクターコンテンツのコラボキットを大量リリースすることによって、「洗練されたキャラデザを取り込める」という成果を得た。ユーザーによる自由な組み替えを前提にしたシリーズなので、美少女キャラとして非常に高品質なフェイスパーツやヘアスタイルパーツを一気に持ち込んだことになり、30MSのコンテンツ全体の価値を大きく高めた。もちろん、キャラクターのファンたちを模型側に取り込める機会にもなる。
【ユーザー】サイドでも、既存の30MSモデラーは上記のメリットを丸々享受できるし、その一方で元のキャラクターファン(アイマス)にとっても、「かなりの安価で」+「簡単に作れるガール立体物」を入手できることになる。高額なスケールフィギュアが2万~3万円台になっているところ、4000円程度でプラモ版のキャラを購入できるのはありがたいだろう。その価格帯だとプライズフィギュア(2000円前後)もあるが、「キャラ数が限られる」「入手経路が限定される」という限界があった。しかし、30MSのような組み替え前提のプラモだと、本体キットと、フェイスパーツなど一部のパーツを別売りするだけで、26人全員を網羅して発売することができる。特にマイナーキャラのファンにもありがたい企画だろう。
【元コンテンツ】のホルダーにとっても、ライセンス製造にすぎないので、自社負担はほぼ無く、それでいて、プラモデル市場という新規分野で大規模展開してもらえるのは大きなメリットだろう。家電量販店などにも並ぶし、モデラー層を取り込める機会になる。……魔改造(※卑猥な加工や組み替え)に使われるというリスクもあるけど、アイマスシリーズならばダメージにはならないだろう、たぶん。
SNSにもユーザーたちの完成写真がたくさん上がっていて、実物を見てみるとコラボ効果の絶大なインパクトを感じられる。これは確かに、やる価値のある企画だ……。