先程からの話を続けるけど、プラモデルに「原作」という発想を持ち込むのは、非常に難しい。
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・既存の特定キャラのプラモを使って → 既存キャラそのままに制作する。
・既存の特定キャラのプラモを使って → それとは別の、独自コンセプトで制作する。
・汎用パーツやスケールモデルのプラモを使って → 独自コンセプトで制作する。
・汎用パーツやスケールモデルのプラモを使って → 史実を忠実に再現するように制作する。
・汎用パーツやスケールモデルのプラモを使って → 史実であり得そうなものを想像して制作する。
・汎用パーツやスケールモデルのプラモを使って → 既存創作物のキャラを制作する。
これらはそれぞれ、まったく別の価値観と、別種の創造性に基づいている。それらを一括りにして「一次創作/二次創作」で分けるのは、不可能なように思える。

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オリジナリティの高いミキシング制作に際しては、どのキットのどのパーツをどのように使ったかは、なんというか、「創作上の秘密の工夫」の側面もある。だから、それらを全て公開せよというのは、かなり無理のある要求になるだろう。
 その意味で、過度な原作(?)明記を要求することは、プラモデル分野においては、むしろ健全なオリジナリティの発露を妨げる作用を持ってしまうのではないか、というのが私の懸念だ。
 おそらくあちらのサーバーのポリシーとしては、「プラモデルをそのまま組み立てるのは一次創作とは言えない」という立場であり、まあ、そういう判断を前提とするならば、うーん、そういう運用方針にもなるのかなあと思う。
 しかし、そもそもプラモデル制作は「一次創作/二次創作」の二元論で切り分けることが困難な領域なので、「一次創作/二次創作」をばっさり切断しようとする規約では、不条理なルールになってしまっている……ということだと思う。

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模型界は広いし、けっして価値観が統一されているわけでもないので、私が先程書いたのとはまったく異なった模型観を持っている方も多いと思う。ただ、少なくとも私個人の向き合い方としては、「キットはあくまでキット」という捉え方をしている。
 そもそも模型界隈は、実作上の現場的議論が大半であって、こういった価値論、原理論、理念論が語られることは、残念ながら専門誌レベルでも稀なのだが……。

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なるほど……これが1300文字のボリュームか……。(長くてごめんなさい。)

misskey.designとプラモデルについての感想(※余所の規約の話で恐縮ですが)
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複数のキットパーツを組み合わせて独自の作品を作り上げること(ミキシング mixing)について、「原作情報(…)を明記」することを要求しておられるけれど、うーん、プラモデル制作(ミキシング文化)の実態に合っていないんじゃないかなあ。
1: そもそもミキシングというのは、「両腕は○○ロボット由来で、胴体は××ロボット」のような単純なものではなく、ものによっては本当に原形を留めないほどにズタズタにして組み合わせたりする。
2: そもそも原作の無いパーツ(汎用ディテールアップパーツ)も、多数市販されている。
3: 実在の戦車や航空機のキットなど、創作物の「原作」ではなく、単なる「モデル元」であるものも多い。
4: メーカー側も、ユーザー各自がキットを利用して自由に作ったり組み合わせたりするのを良いことだと推奨しているところが多い。
 要するにプラモデルキットは、「作品」ではなく「キット」、つまり、いわゆる「夏休みの工作キット」と同じように、本質的には素材集にすぎない。その意味で、プラモデルのミキシング文化において、尊重されるべき「原作」の創造的プレゼンスは、かなり小さい。

 もちろん、プラモデル制作において原作が意味を持つ場面も多い。典型的には、キットのままストレートに「○○ガンダム」そのものを組み立てた場合は、原作を明示することに一定の意義はあるだろう。あるいは、既存の「○○ガンダム」を色変更したり盛り付けたりして、オリジナル設定の「○○ガンダム××仕様」にするといった場合もある。それはそれで分かる。
 しかし、ミキシング制作について言うと、基本原則はむしろ「キットはあくまで市販素材」という価値観がかなり強くなってくる。そこにはデリケートな価値的相違があると思うのです。

 プラモデル分野の内部だけでなく、外部(一般人)の視点にとっても、「原作に対する侵害」とか「原作の隠蔽」といった懸念は、ほとんど問題にならないと思われる。というのは:
・プラモデル写真は、既存の市販キットを組み立てたものであることが、ほぼ自明である。すなわち、一次創作か二次創作かという混同は、ほぼ生じ得ない。
・プラモデルキットは、それをユーザーが組み立てることを当然の前提にしている。だから、プラモを組み立てることは、二次創作的な行為ではなく、あくまで市販商品それ自体のコンセプトの枠内に留まる実現行為に過ぎない。その意味で、ゲームキャラやアニメキャラに対する二次創作イラストとは、まったく意味が異なる。

こういった見地からして、規約「原作情報(ゲームタイトル、プラモ作品名、キャラメーカーのURL、等)を明記し、それが自作の世界観のキャラクターではないことが分かるようにしてください」は、うーん、なんとも奇妙な要求に思える。
 文句を付けるわけではないが、プラモデル分野の価値前提や商品形態や活動実態に照らして、あんまりうまく当てはまっていない規約だなあと思う次第。
terms.misskey.design/882ada83ecdf4c20b274f171298014ea

「数字1桁は全角、2桁は半角」は、縦書き+印刷文化の所産(またはレガシー)かな。
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例えば、


10


といった感じ。さらに厳格な縦書きだと、そもそも漢数字表記になったり。
私も以前は「1桁は全角」で入力していたけど、最近ではすべて半角アラビア数字にしています。

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スターゲイジー・イール(うなぎ)・パイだったら、チンアナゴみたいで可愛く……は、ならないか。