・個々の作品のクオリティについては、悪影響は非常に小さいだろう。供給される原作も大量かつ多様なので十分に選択の余地があるし、ただストーリーとキャラデザを縛られるだけならば、アニメーション表現はかなり自由に創意を発揮できる。
・アニメ制作会社に、企画立案やストーリー発案を担える人材が乏しくなり、原作依存体質を脱却できない。アニメ産業の創造性のポテンシャルが小さくなってしまう懸念がある。
・視聴者サイドの安定志向(安心志向)にも原因があるというのは首肯できる。しかし、ユーザー側の意識を変えていくのは非常に難しい……。
10年代のオリジナルアニメは、『ソラノヲト』『輪るピングドラム』から、『たまこまーけっと』『幻影ヲ駆ケル太陽』『放課後のプレアデス』(『終末のイゼッタ』まで優れた作品が多くて、私も当時はオリジナルアニメに期待していろいろ視聴していた。『シンフォギア』シリーズは長く続いていたし、『勇者である』シリーズのようにアニメ版主導で(?)展開されていったコンテンツもある。20年代のアニメも意欲的な独自企画がいろいろ試みられてほしいという点はまったく同感。