とりわけ後者は、魔法少女ものの再興とともに、00年代的な隠微なメランコリーを飛び越えて、剥き出しの悲惨や崩壊のカタルシスが前景化されることが増えた。私個人は、そういったどぎついアプローチにはついていけなかったが、そのあたりをぎりぎり上品に回収した成功作として、ノスタルジックな架空歴史ものの装いを施した『終末のイゼッタ』(2016)は好きだった。
ハーレムものは、いわゆる「ソシャゲー」の普及とともに、「単一主人公と大量のヒロイン」という構図が強力に浸透していった……という感じなのかな。よく分からない。例えばアニメ版『IS(インフィニット・ストラトス)』が2011年だったくらいの時代感覚で、10年代を通じてその種のハーレム状況はありふれたものになっていた。