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プラモデルにも、全て透明パーツのスケルトンキットがある(※写真はフジミ「赤城」の艦橋付近)。
 「スケルトン=透明」はおそらく和製英語で、ネイティヴだとtranslucentあたりが使われるだろうか。transparentはちょっと語感が違いそうだし、clearは紛れが大きいので避けたい。

フジミ「1/700 赤城(スケルトン ver.)」の写真です。
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NZは時差が小さいので各種通信も気が楽。
とはいえ、日本で21時だと向こうは24時を回っているので、今日中の返事は期待できない。

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『キルミー』OVA版(※サントラ同梱のあれ)は、なんと、原作漫画のコマ絵をそのまま持ってきて着色して、それを振動させたり回転させたり左右に引っ張ったりするだけという、とんでもない手法で制作されている。しかしそれでもアニメとして成立していて、楽しく視聴できるというのが、なんとも不思議な体験。

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アニメ作品としての特質を教科書的に説明するなら、だいたいこんな感じになるんじゃないかなあ。

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というわけで『キルミー』は、低コストアニメと見做されがちだが、
1) 長谷川眞也氏(総作監)の下で躍動感あるアニメーションを存分に享受できるし、
2) 同世代の赤﨑氏と田村(睦)氏のがっちり噛み合った会話劇も豊かな活力を与えているし、
3) それらは原作由来のドライなスラップスティックの空気にも合致していて、
そういったチューニングの巧みさがアニメ作品としての個性と完成度を、確かに保障している。

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というわけで、twitter時代もやっていたような長めの連続投稿を試してみた。
(kawaii引用スクショだけ見て文章はスルーしてもらえれば、LTLも清らかなままだろう、たぶん。)

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(続)だいたいこんなふうにアニメを視聴している。
 『キルミー』のアプローチは、『だぶるじぇい』『野良猫ハート』『ワガママハイスペック』のような5分×12回のショートアニメと並べて捉える方が、妥当な評価を得られるのではないかと思う。これらの作品も、「低コスト制作」+「型破りの融通無碍な演出」+「SDも積極的に導入」といった特徴を持っている。例えば『野良猫ハート』でも、丸々ヤギ動画にアテレコした回がある。

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(続)先程例示した『ソラノヲト』は、神戸守監督に率いられて非常に洗練された画面演出を展開しているが、カット数はかなり多い。(萌え)キャラクターを映すだけでなく、情景を示唆する小道具的なカットを多用しているのも一因だろう。キャラクターのアニメーションについても、絵が崩れ気味になるのも厭わず意欲的に絵を動かしている。

アニメ『ソラノヲト』第5話より。訓練のために重い背嚢を持ち上げようと苦労しているシーン。
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(続)ちなみに、『異世界のんびり農家』も、かなり異例のアプローチを採用している作品ではある。SDカットを多用し、SLG風のマップ演出なども大胆に取り込んでいて、通常の「生真面目にアニメーションさせる作品」というのを大きく逸脱しているからだ。とはいえ、SDショットはあんまり絵を動かしていないし、それ以外のシーンも無難な止め絵主体であるという点で、依然として一般的な現代日本のクール制アニメの枠内にある。

アニメ『異世界のんびり農家』第5話から。登場人物たちが、魔法を使って農産物を乾燥させているシーン。「乾け~乾け~カラカラ~」。
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(続)現代アニメだと、「胸上(バストショット)あるいは腰上(ウェストショット)の構図で」+「身じろぎのアニメーションを多少させつつ」+「多人数会話を進行する」というのが典型的なコンテ進行だろう。これは萌えキャラとしての美観を維持しつつ、活きたキャラクターとしての雰囲気を演出できるので、それはそれで一つの最適化された見せ方だろう。

アニメ『異世界のんびり農家』第5話より。4人のキャラクターが横に並んで会話している。
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(続)長回しという観点では、例えば第6話の路上シーン(引用画像)は25秒もの長回しになっている。情景を確立させたうえで、たった二人の機敏な会話劇と賑やかなドツキ漫才に集中させるという意味で、本作のコンセプトとその表現様式は正確に対応している。頻繁なカット切り替えによって疲労感を与えることも無い。

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(続)お金を掛けた写実志向のアニメーションでもなく、キャラを崩さないように取り澄ましたバストショットアニメでもなく、思いきりデフォルメしたキャラクターたちによるダイナミックな運動表現を、J.C.STAFFが躍動感あるアニメーションに仕上げている。これは本作の魅力であり、また、アニメの豊かな可能性を示すものでもあるだろう。

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(続)だが、『キルミー』の画面構築は、非常に特殊だ。
1) 一見簡素なSD絵を採用して、
2) 基本的には中距離のカメラでじっくりと長回しをしつつ、
3) キャラクターの全身アクションを巧みに描いている。特異な様式選択と言える。例えば、このスクショのシーンでも、混乱したやすながぐるぐるふらふらと数秒間にわたって踊って(ふらついて)いる。

アニメ『キルミーベイベー』第6話からのスクリーンショット。折部やすなが、屋上でくるくる回転している。
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(続)Aパートが約10分として、一般的なクール制アニメでは平均4秒に1枚のペースで頻繁に絵を切り替えていくスタイルが主流だ。そこではバストショットでの止め絵会話と、状況説明的なロングショット(エスタブリッシングショット)の2種類で間を保たせつつ、バトルシーンでの激しいショット切り替えに枚数を掛けるというコスト配分になりがちだ。

アニメ『ソラノヲト』第5話からのスクリーンショット。
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カット数を数えてみた。
2010年『ソラノヲト』: 159カット(5話Aパート)
2011年『まどかマギカ』: 151カット(6話アバン+Aパート)
2012年『キルミーベイベー』: 77カット(6話アバン+Aパート)
2023年『異世界のんびり農家』: 141カット(6話)
これを見ても、『キルミー』がいかに長回しを多用しているかが見て取れるだろう。

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90年代からずっと、きれいなゲーム音楽を作っておられたのに……。>おおくま氏

PCゲーム『水月』(F&C/FC01、2002)のスタッフロールより。音楽は「おおくまけんいち」氏の担当でした。
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同じくPCゲーム『水月』のタイトル画面。
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PCゲーム『恋神(ラブカミ)』(PULLTOP、2010)のスタッフロールより、おおくま氏担当の部分。
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『キルミー』アニメ版は、原作の第4巻までしか使っておらず(※OVAでは5-6巻も)、2期制作も十分可能なのだけど、しかし続きをやると、あの恐怖の「イカ工場」が入ってくることに……。
 カヅホ氏のグロ/クリーチャー/ホラー趣味を全開にした回で、SD頭身にもかかわらず冷え冷えと怖いという……。
gardenatdawn.blogspot.com/2018

『キルミーベイベー』漫画版とアニメ版の比較
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つまり、こういう……。(履修済み)

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ユトリロ!というのに驚いたり。(こういう手法はかなり珍しい)

PCゲーム『恋する夏のラストリゾート』(PULLTOP latte、2014年)のゲームCG。ユトリロの描いたノルヴァン通りを踏襲する構図になっている。
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10年代のPULLTOPは、当時最高級のキャスト陣が絶品でした。
 当時すでに同人声優や桃組声優が大挙進出しつつあったところ、杏子御津、波奈束風景、萌花ちょこ各氏が主演だったのは本当にありがたかった……。

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『キルミーベイベー』のDVD全巻(しかも未開封)が、中古4000円で売られていたので、つい買ってしまった。BD版も持っているのだけど、「画質/音質にこだわらずカジュアルに視聴したい」という場合はDVDの方が取り回しが楽だし。

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ハイパーリンクが付かないことを確認したので、今後はあのメディアに言及するときは「twitter.com」としよう。サーヴィス名の代わりにURLで呼称するのはごく普通のことだし、名称変更で混乱が生じているがそれに一々付き合うつもりも無いので。明快さと正確性のバランスを目指すなら、当面はこれで良さそう。

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複数のカラーペンを使い分けて下線を引きまくる人もいたが、私には合わなかった。
 「重要なパッセージはイエロー」「疑問のあるところはブルー」「定義を示している文はレッド」などで使い分けていたらしいが、つまみ食いっぽく見えて、うーん、あんまり好きではなかった。ただ、資格試験などの暗記寄りの作業では有効かもしれない。

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自分自身のための読解としても、関係詞などが絡み合う複雑な文を正確に訳すときは、自前で適宜改行等で階層構造化していくと、誤読をかなり避けられる。ドイツ語の古典精読では、たまにこの手法を使った。

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学部のときに授業ノートを、『論哲』もどきに命題化+ナンバリング+階層構造で作ったことがあった。論証構造を正確に把握し俯瞰する上で教育的だし、もちろん大学院以降で文献精読するうえでも有用だと思う。レジュメ作成も、基本的には同じような構造化作業をしていることになる。
 それに対してPowerPointは、一見便利だが、大量の小さなページ群にモジュール化してしまうので議論のつながりが見えにくくなるのが難点。だから講義ではレジュメなど、全体展望を提供する素材も併用する必要がある。