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新年度(必然的に新規伝達事項が多い)が4月スタートな国と、エイプリルフールの相性の悪さよ。しかも今年は週明けの月曜日。

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あっちを向いてもこっちを向いてもこの世界は大変なことばかり、と、ときおり打ちのめされるような気持ちになっています。そしてそれはそれとして春はあっちを向いてもこっちを向いてもお花が咲いている。ただ相変わらず、桜の元気のなさが気になる今年です。

TLで、桜がちゃんと花開く前からもう葉っぱを出しはじめていると写真を投稿なさっていたかたがいたのですが、我が地元の桜もちょっとそんな感じ。気候が不安定すぎて混乱しているのではとしか思えない。

台湾の地震、私は昨日、知るなりとっさに、好きなミュージシャン(台北在住)が無事かどうかを確かめてしまったよ。わりと直後に「みんな余震に気をつけて~」みたいなことをSNSに投稿していたので無事なのでしょう。報道を見るたびに被害の規模が大きくなっていて震えているけど、日常が少しでも早く戻りますように。って、能登も地震発生から3ヶ月が経ってもまだ日常はぜんぜん戻っていないという記事を読んだばかりなのだが……。考えれば考えるほど、心は千々に乱れる。

写真は、花海棠と木瓜。

ピンク色の花海棠の花が咲いている写真
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1本の木から、白い花びらの先端だけが薄いピンク色になっている花と、ほぼ全体が濃いめのピンク色になっている花が、入り混じった状態で咲いている、木瓜の写真
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唐突に、今年の1月~3月に視聴していたアニメを列挙。あとで感想メモも書くかも。

『天官賜福 貮』日本語吹替版 全12話
『烈火澆愁』日本語吹替版 全12話
『百妖譜』1期 日本語吹替版 全12話

『命运拳台/Ringing Fate』英語字幕 全12話

『クズ悪役の自己救済システム』日本語字幕版 6話まで(CS放送中)
『百妖谱·司府篇(4期)』6話まで(配信が週1で更新中)

 
リストアップしてみたら私にしては観ていた。中国アニメばかり。

これ以外では『勇気爆発バーンブレイバーン』を2話までと、『ハズビン・ホテルへようこそ』のエピソード0を観た。ハズビン・ホテルはそのうち本編も観てみたいと現時点では思っています。

実写ドラマは爱奇艺(iQIYI)の配信で『大理寺少卿游』を2話まで観ましたが、無料公開は5話までと気づいて中断。いつか日本で放送されることがあればいいのですが。これ原作漫画では、主人公が人間サイズのデカ猫になる呪い(?)をかけられた姿のまま官職を得て活躍してるので、実写化ってどうやって!? と思っていました。そう来たか……。

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で、今月から観たいと思っているアニメ。

『龍族 The Blazing Dawn』日本語吹替版
『時光代理人Ⅱ Link Click』日本語吹替版
『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』

『クズ悪役の自己救済システム』日本語字幕版 7話以降
『百妖谱·司府篇』(4期)7話以降

あと余力があれば5月からの
『鬼滅の刃 柱稽古編』
(ただしその前の「刀鍛冶の里編」の視聴で挫折しているので、5月初めに放送予定の「総集編」で追いつけたら)

 
え、私にしては意外とあるな……。

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唐突に、1月~3月に視聴していた中国アニメのメモ①
需要とか気にしない。

 
『百妖譜』1期 日本語吹替版
youtube.com/watch?v=vniLzcJaK8

前に日本語字幕版でも観てたやつ。好き。架空の古代中国で、妖怪の病を治す力を持つ「霊医」の女の子が、仲間と旅をしながらさまざまな妖怪たちと関わっていくオムニバス形式。わりと地味な話かもしれないけど、なんとなくしみじみと見入ってしまうのだ。少なくとも3期までは、しみじみと……。

配信のみでの公開だった本国のオリジナル版では1話ごとの長さが揃っていなくて、日本語吹替版はテレビ放送の枠に合わせるためにシーンを削った回や、「これまでのあらすじ」を強引に足した回がある(CSで放送されていた字幕版はオリジナル尺のままでした)。

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唐突に、1月~3月に視聴していた中国アニメのメモ②

 
『百妖谱·司府篇』(4期)6話まで
youtube.com/watch?v=BOHZ5JtwxN

YouTubeのBilibili公式チャンネルで。4話までは英語字幕がついていた。なぜか5話からは中文字幕しかつかず、突如として私の理解はわやわやになった。シリーズ3期までと比べると、かなりどろどろした話に。オムニバス形式でもなくなって、少なくとも6話まではずっと続き物。

あと3期から主人公たちの旅がひとまず中断されて街に定住しており、レギュラーキャラが増えていて、4期のキービジュアルでは、その新キャラのひとりと主人公が、なんだかカップルみたいな描き方をされている。が、6話まで観てもそういうロマンスの気配は皆無。

そして現在のすごく正直な気持ちを言うと、これから7話以降でくっついたとしてもすぐにお別れして5期からまた初期メンバーで旅を再開してほしい(我ながらひどい)。

でも本家Bilibiliでシーズン予告PVが出たときは、本国視聴者に、原作小説どおりの公式CP来た! などと弾幕コメントされていた気が。そうか、なら受け入れなければ。

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ビアードパパの25周年記念商品・期間限定ミルフィーユシューというのを食べました。とっても美味しかったのですが、かじると豪快にクリームがはみ出た。これをきれいにいただくのは、至難の業では。でも美味しかったよ!
beardpapa.jp/lineup/2559/

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ページが見つかりませんでした - シュークリーム専門店 ビアードパパ
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で、ビアードパパがいま25周年記念企画をやっているというので、「え、そうなの!?」と意外に思っている。

というのは、私がちょうど今月で、関東に移住してきて26周年なんですよ。そして引っ越してきた当初から、その頃よく利用していた駅ビルのなかにビアードパパの店舗が存在していたように記憶していた。実はなかったんか……。

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唐突に、1月~3月に視聴していた中国アニメのメモ③

 
『天官賜福 貮』日本語吹替版
youtube.com/watch?v=gZRZaElR0S

2期です。話の進みは遅く(ようやく原作全6巻中、2巻の途中まで行った)、とにかくキャラの心情を丁寧に描いてエモーショナルに煽ってくる感じ。アニオリ部分の解像度が高くて、原作はそこまで書いてないけどたしかにそうなってそう、などと読み込みの深さに感心。

ただ、言葉であまり説明せず、ひたすら情景や表情や動作、視線の動かし方などで語ろうとするので、演出はこまやかではあるものの、原作未読勢がちょっと違うストーリー解釈をしているさまもネットでは散見された。

絵はとてもきれい。製作スタッフは、髪の毛の揺らめきとか布のはためきとかが大好きなんだと思う。

主役コンビのうちの片方の声を担当している福山潤さんのインタビューをネットラジオで聴きましたが、物語の先の展開を知らないまま、今後への伏線を張っていると思しきシーンでは、映像と中国語版の声優さんの演技から高度な洞察力を駆使してご自分の演技に反映させていることが分かって、興味深かった。

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唐突に、1月~3月に視聴していた中国アニメのメモ④

 
『クズ悪役の自己救済システム』日本語字幕版 6話まで
youtube.com/watch?v=RCDrBTUFhr

原作は2014年に書かれた転生悪役もの小説。日本で悪役令嬢ものが流行りはじめたのって、いつ頃でしたっけ。

英語字幕版と日本語吹替版ですでに観ているのですが、この日本語字幕版の翻訳が、WOWOWで初めて放送されたとき非常に評判がよかったので、CSで放送が始まったのを機に録画して勉強させてもらってます。

とにかくこれは、主人公を担当する声優さんの演技の妙に、すべてがかかった作品ではないかと。転生先である古代中華ファンタジー世界で、多くの弟子を率いる優雅な悪役仙師としてふるまいつつ、モノローグでは現代オタク青年のまんまの精神で状況に高速ツッコミを入れまくるギャップが楽しい。原音版でも日本語吹替版でも大御所が配役され、さすがの技術でノリノリに演じてくださっている。

で、そのオタク特有の早口を、画面に収まる規定どおりの文字数で字幕にしている翻訳者さんもすごいのよ。ただでさえ中国語は、1音節当たりの情報量が日本語より多いのに。

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最近、素人がスマホでちょっといい感じに写真を撮るためのノウハウ、みたいな本をちらっと見てみたりしていたのですが。

そもそも私は、「どういうのが、いい感じなのか」という美的センスのところから駄目な気がする……。

Before と After で、ここをこうすると改善できます、みたいなプロの実作例を見て、「アフターのはダイナミックさを求めて不自然なアングルで撮影した結果、被写体が歪んで写ってしまっていて気持ち悪い、ビフォアのほうがバランスが取れていて好き」とか思ってしまったりする。

そういえば以前、眼鏡の選び方というのを読んでいて、同じモデルさんで似合う眼鏡と似合わない眼鏡の実例が挙がっていたのですが。私は、眼鏡が似合ってないとされてる写真のほうを「もう片方と比べて、いい人そうに見える、好感度が高い」と思ってしまったりしてたんですよね。

見比べて違いが分からないというのなら、経験を積むことで差を見出せるようになって「いいほう」を選べるのかもしれませんが、最初から差があることは分かってて、プロが駄目出ししているほうを好ましく感じるというのは、もうどうしようもないのでは?

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唐突に、1月~3月に視聴していた中国アニメのメモ⑤

 
『烈火澆愁』日本語吹替版
youtube.com/watch?v=1Yc_o2-Akb

字幕版でも観てたやつ。ドラマ『山河令』などと同じpriest先生の原作。架空の現代中国を舞台にしつつ、3千年前からの因縁がたたってくる話なので古代のシーンも。キービジュアルのキャラクターは2次元ぽい絵だったけど、みんなCGで動かしている。たまにエフェクトとかは手描きで足しているのかなって感じに見えたので「標準的な日本のアニメとは考え方が逆?」って面白かった。

漢字びっしりの特殊用語が多く、字幕版ではなんとかついていけてたところも、吹替版で音声のみだと「??」となる。ニコニコ動画の配信で、原作読破した人が補足コメントを入れてくれてたので、それで初めて字幕版でもよく分からなかった部分が理解できたりもした。

一連の事件に黒幕の存在が垣間見えて、本筋が始まるのはここからだな!? って引き込まれたとこで最終回。当然2期の製作予定はあったそうなのだけれど、諸般の事情で望み薄らしいとネット上で言われているのを見た。キャラクターはだいたいみんな好きだったので残念。

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開花しはじめるのと葉っぱが出てくるのが、ほぼ同時期だった。このあたり、お天気が変だったもんねえ……。

桜の花が咲いた枝の写真。すでに所々に緑色の葉が見えている。
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唐突に、1月~3月に視聴していた中国アニメのメモ⑥

 
『命运拳台/Ringing Fate』英語字幕付き
youtube.com/watch?v=coXm8qTmN9

『時光代理人』等の李豪凌監督(先日の日本でのアニメイベントでは「Haolin」の名で登壇)が原作から手掛けている。

これもだいたいCGアニメだと思うんだけど、この世界が私たちの知る現実とは別の次元にあると明言され、住人は必ずしもヒト型ではなかったりするのもあって、動きに違和感は抱かなかったです。

そして多層的な世界観においてレイヤーが変わるとそれが作中にも反映されるのが最初、意表を突かれた。いろいろ表現方法を「実験」している感じがある。

キャラデザインがとても可愛い。笑えるシーンも。なのに、実はヘヴィな内容。で、キュートなデフォルメキャラと、ハードなメカ戦闘描写の調和の仕方が異様(褒めてる)。

ハオリン監督が作るお話は、設定・筋書きの闇深さと、作品全体の基底にある真っ当さのギャップがえぐいんだ。本作でも、いびつな世界のなかで、とにかく主人公の少女のまっすぐな意志の強さ精神の健やかさが光り輝いている。この子が大好きです。

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昨日ものっすごく久しぶりに東京駅で降りた。

JR東京駅・丸の内駅舎北ドーム内側の天井の一部の写真。黄色い壁、ドームの頂点から八角形に延びる茶色い枠組、その下に延びる白い石膏の枠組や鷹のレリーフなど。
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川森博司『ツレが「ひと」ではなかった 異類婚姻譚案内』(淡交社,2023年12月)

日本各地に伝わる「異類」との婚姻が含まれるさまざまな昔話を、相手が動物のもの、異界の住人(天人など)であるもの、異形(鬼など)であるもの、と3つのパターンに分け、時には海外の伝承や、近現代の創作物をも引き合いに出しながら解説している。

鶴のヨメ、猿のムコなどいろんな昔話があることをぼんやりとは認識していたけど、次々とこれだけ列挙されるとなかなか壮観。そして、やはりお隣の中国や韓国には、よく似た話があるんだなというのも、あらためて並べられると興味深い。またアイヌの民話が、むしろ中韓のものよりも、いわゆる和人とは違う文化圏のセンスを感じさせるのにも、なるほどなあ、と。

で、こういった、個人の意思で創作されたのではなく社会のなかで結果として残されてきた伝承は、現代的な価値観で表面的なディテールに基づいて好き嫌いを言うようなものではない、というのも、読む前から頭では分かっていたのです。

〔つづく〕

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〔つづき〕

でも結局、「女性側(人間でもそうでなくても)の負担のほうが大きい話、多すぎない!?」とか「都合のいい働きものの美女なら素性不明の押しかけ女房でも喜んで受け入れるくせに、約束したことを守れなかったりする人間男性、覚悟がなさすぎでは!?」とか、ついつい憤りが……。

異類婚が持続しない(異質なものの排除によって秩序が維持される)お話が日本では多いのにも、複雑な気持ちが湧きます。人と人でないものが幸せに添い遂げるお話も、ないではないのだけど。

そういった「もやもや」ポイントについてはしかし、本書でも明示的に俎上に載せられており、また最終章ではさらにさまざまな観点から、日本の異類婚姻譚についての総合的な分析と提言がおこなわれます。

雑なまとめになるけど、ここで示唆されているのは、われわれには異質なものへの対応やジェンダー観などにおいて、こういった文化的背景を擁してきた面があるんだと認識することで、現代に生きる者として意識的に、新たに違う局面へと踏み込んだ物語を創出し、現実世界でのスタンスにもフィードバックしていけるはず、ということではないかと。

〔了〕

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花の名前を調べるアプリを起動してネモフィラさんたちにスマホカメラを向けてみたら100%一致でルリカラクサと出たので「へ?」って思ったけど、和名はそうなんだね。ひとつ賢くなった。

一面の青いネモフィラの花の写真
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杉浦さやか『すきなもの たのしいこと A to Z '80s~'90s 少女カルチャーブック』(祥伝社,2023年10月)

杉浦さんの10歳頃から大学を出るくらいまでの個人的な思い出が、アルファベット順に並べたテーマ別に語られるイラストエッセイ。カラフルでやさしい、暖かみのあるタッチの絵がとても楽しい。

ほぼ同世代なんですが、地方のインドアオタクだった私と違って、杉浦さんはおしゃれに敏感な東京住みの子として、しかもお姉さんやお兄さんがいて少し背伸びした情報も家庭内で得られる環境で育っているからか、お若い頃からハイセンス。もちろん、資質として感性が豊かでいらっしゃったというのもあるでしょうし。

でもやはり同世代なので、ところどころで「ああ、懐かしい」と思うものも取り上げられている。その雑誌のその号、たぶん私も買ったわ、とか。

そしてまた、お友達とのかわいらしい交流や、大学の芸術学部に入ってからのがんばりについての回想を読んで、自分とは違う子供時代であり青春時代なんだけど胸が熱くなったのは、その振り返り先への時間的な距離感がちょうど同じくらいだからというのもあるのかも。

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三浦しをん『しんがりで寝ています』(集英社,2024年3月)

前に読んだ『のっけから失礼します』(2019年)に続き、雑誌『BAILA』連載のエッセイをまとめたもの。2019~2023年の記事を収録。

この時期の三浦さんは、ダイマしてから「ステマ」と注釈を入れるギャグ(?)がマイブームだったみたい。ご自身の別のお仕事の情報なら、普通に書いてもファンは喜ぶでしょうに。でもやはり、そこでちょっと引いてツッコミどころを用意してしまう奥ゆかしさが、三浦さんらしい。

そして相変わらず、ひととの縁を幅広く大切にされていると感心。生活環境がすっかり違ってしまっているだろう何人もの古いお友達とちゃんと濃いつきあいが続いているだけでなく、十数年前に出したワイン入門の本で指南役だった先生と、いまでも気軽なノリでやりとりをなさっていたり。さらには学生時代のバイト先の店長さんと、電話で近況報告をしあう仲だとは。え、すごくない?

いや、これに驚嘆しまくっている私が、駄目すぎなのかも。こんな感想を公開したら、ネットでしかつながってないひとにも私の人望のなさがバレてしまうな(いまさらだよ!)。

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わっさわさしている。

濃いめのピンク色の花が満開になって密集している、八重桜の枝の写真
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読み中の本に「サウザンアイランドドレッシング」の話題が出ていて、そういえばちびっこだった頃、亡母が thousand islands dressing というのは、ドレッシングに混ぜ込まれたみじん切りのピクルスやタマネギなどを、海に浮かぶ千の島々に見立ててつけられた名前なのだ、と教えてくれたのを思い出し、ふと、あれは本当に? と検索してみた。

 
サウザンドアイランドドレッシング
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B
 

ぜんぜん違うし! そもそも Thousand Islands とは地名、固有名詞ですし! 誰かほかのひとに張り切って教えたりしてなくてよかった!

亡母との思い出には、ときどきこういうのがある(裏庭のライラックを指して「これはラベンダー」と自信満々で教えてくれたり……ラしか合ってねえ! でも小学校高学年まで信じてた!)。

まあ、いまのいままで、自分で調べてみようと思わなかった私も私だが。

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謎サイトにアクセスさせようとするタイプのスパムメールでさー、件名はAmazonがどうとかってなってるのに本文でイオンカードの話をしているやつとか、イオンと書くべきところに永旺(←イオンの中国語表記)って書いてあるやつとか、さすがにもうちょっとなんとか……って、誰も思わんのかなー。

いや、人間は誰も見てないのかもね。AIで生成されていて。

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周密『BLと中国 耽美(Dan mei)をめぐる社会情勢と魅力』(ひつじ書房,2024年3月)

近年、日本でも翻訳や紹介が増えてきた中国のBL系コンテンツについて、本国での発展の経緯や社会情勢とのかかわりを分析した研究書。

このジャンルの名称「耽美 dānměi」自体が日本語からの借用であるくらいに、日本のサブカルからの影響が強いはずの分野なのだけれど、必然的に論考は、耽美ジャンルにとって逆風となっている中国政府の方針との兼ね合いが焦点に。良し悪し関係なく、その要素があるからこそコンテンツが独自の進化を遂げている。

個人的にハッとしたのは、当局の観点において、昔から同性愛が受け入れられていたというような内容の歴史ものコンテンツが非推奨なのは、現代中国社会のほうが過去より進歩的だよ、という優越性を強調できなくなるからだという指摘。そっちの発想かー!

あと、明確なレーティング基準を定めずに、手間暇かけて個別に審査する検閲制度を残しているのはなぜか、そういった制度を踏まえ、コンテンツ提供側がどのような方策をとってきたか、という解説もあります。

〔つづく〕

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〔つづき〕

いきなり自分語りをしますが、私はたまたま観たBL原作の中国アニメ(ブロマンスものに改変)にハマって、原作小説にも手を出すようになりました。でも主役ふたりの恋が進展する重要シーンで「それよか本筋のほうが気になる」などと思ってしまい、あとから「いや、ジャンル的にむしろ本筋はそこだろ」と、それを失念していた自分に衝撃を受けたりしていました。

どうもBL素養に乏しい者が読むと、傾向として複雑なプロットとか、脇キャラたちの掘り下げとか、舞台設定の面白さとかがページをめくらせる主な推進力になっていて、直截的なロマンスの比重はそれほど大きくない気がするのです。

そして本書によると、まさにその、恋愛・性愛以外が物語の前面に押し出される作風自体が、ジャンルの存続戦略でもあるというのです。なるほど……。

自分が惹きつけられてきた作品の特徴が、上からの制約の結果として花開いたものだと思うと複雑ではある。創作は自由におこなわれてほしいので。

ただ同時に正直なところ、日々変容する現実の社会情勢と物語の表出の仕方が絡み合うさまに対するこのような読み解きを、興味深く感じてもいます。

〔了〕

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【二ホンタンポポ(在来種)とセイヨウタンポポ(外来種)の見分け方】
weathernews.jp/s/topics/202404

 
↑この記事を読んだところだったので、外出先で見かけたタンポポを「お、この形状は在来種なのではないか」とか思わずチェックして写真まで撮ってしまったのですが、記事には

“里山のような昔ながらの土地に分布しているのが二ホンタンポポです。昔から環境が変化しにくい寺社仏閣の境内や昔からの田畑で見られます”

とも書いてあり、自信がなくなってきた。わりと新興住宅地っぽいとこの道端に生えてたやつなので。

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二ホンタンポポ(在来種)とセイヨウタンポポ(外来種)の見分け方
草むらのなかに生えたタンポポの花3輪を横から撮った写真。
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古賀及子『おくれ毛で風を切れ』(素粒社,2024年2月)

2019年~2023年にネットで公開されたなかから選り抜かれた「日記エッセイ」集の第2弾。書き下ろしも。第1弾『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』と時期がかぶるけど初収録の文章が入っているので、「補填されている!」って、お得感がある。

やはり、ちょっとした気付きや思いつきを躊躇や気後れなく口に出せ、誰かが盛り上がればほかのメンバーも一緒にテンション高くなったりできるのって、嬉しいことだ。「有象無象のドーナツ」みたいな、反射神経で生み出されたような素敵フレーズが、まず古賀家で共有され、さらにこうやって公開されることで家庭外にも共有される、その不思議さとありがたみよ。

古賀さんの、年長者および親という立場からお子さんたちを見守りつつ、自分とは違う個性を持った人たちとして、きちんと対等に向き合っている感じが好き。ご自身の若かりし頃と引き比べて、息子さんや娘さんはこうなんだなーと冷静に感嘆しているようなくだりが何度か出てきて、そういうのを読むたび、なんとなくせつないような暖かいような気持ちが湧いた。

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(先日マストドンで言及した、「サウザンアイランドドレッシング」の話題が出てくる本というのは、この『おくれ毛で風を切れ』でした。この本のなかで「変な名前で色が濃い」と書かれていて、そういえばこの名称……と私自身の思い出がよみがえった。)

mstdn.jp/@narano/1123008898896

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ならの (@narano@mstdn.jp)
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新井素子『定年物語』(中央公論新社,2024年3月)

新井さんご自身の「ほぼ実話」な結婚生活を、作家の陽子さん&会社員の正彦さんカップルに託して描いてきたシリーズ、ついに正彦さんが定年。ずっと読んできた者としては、もうその事実だけで、かなりしみじみ。

1986年の『結婚物語』の頃は、自分がまだティーンだったので、この世の未知のシステムについて教えてもらうような気持ちでしたが、いまとなっては10歳程度の年齢差など塗りつぶされるような他人事でなさがある。加齢に伴う身体能力低下の話題とか、ご両親のこととか……。

とはいえ、やはり特殊は特殊なご夫婦だとも思いますよ。こんな人、いるんだ! って記述はいっぱい(少なくとも私にとっては)。

ここで具体例を挙げようとしたのですが、いろいろありすぎて取捨選択できなかった。まあ興味のあるかたはご一読を。陽子さん(新井さん)は説明作家なので、そのブレない特殊な部分を饒舌に語ってくださっていて、それが本作を分厚い娯楽小説作品として成り立たせている。

なんにせよ、おふたり仲良く充実した生活を送ってらして、なによりです。いつまでもお元気で!

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ブログ更新:2024年4月に読んだものメモまとめ
days.mushi.pepper.jp/?eid=1262

■川森博司『ツレが「ひと」ではなかった 異類婚姻譚案内』(淡交社,2023年12月)
■杉浦さやか『すきなもの たのしいこと A to Z '80s~'90s 少女カルチャーブック』(祥伝社,2023年10月)
■三浦しをん『しんがりで寝ています』(集英社,2024年3月)
■周密『BLと中国 耽美をめぐる社会情勢と魅力』(ひつじ書房,2024年3月)
■古賀及子『おくれ毛で風を切れ』(素粒社,2024年2月)
■新井素子『定年物語』(中央公論新社,2024年3月)

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