#読書
米澤穂信『冬期限定ボンボンショコラ事件』(創元推理文庫,2024年4月)
「小市民」シリーズ本編完結! 前作「秋期」から(あいだに番外短編はありましたが)実に15年、待ってました。
それだけのブランクがあっても(過去作を復習しとこうと思ってたのに結局いきなりこっちを開いちゃった)、読みはじめればすんなりと違和感ゼロだったので自分でもちょっとびっくり。お久しぶりの知り合いに「わ、元気だったー?」って近づくような感じ。
まあ、元気じゃなかったんですけど。衝撃の序章。
そして小鳩くんの回想でついに明かされる、小佐内さんとの出会いの状況などに好奇心を満たされているうちに、案の定、文中の手がかりをスルーしてました。そうでしたこれは推理小説。
小佐内さんは、回想でも現在でも、やっぱり小佐内さんらしさ全開で、誤魔化しなく自分を貫いていました。
高校卒業でいろんなことが必然的に変わってしまいますが、きっと成長はしてもそれぞれの本来的な性質は変わらないふたりは、今後も看過できぬ引っかかりに遭遇しながら生きていくのだろうと信じています。たとえその活動が読者の目に触れることはなくても。