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古賀及子『おくれ毛で風を切れ』(素粒社,2024年2月)

2019年~2023年にネットで公開されたなかから選り抜かれた「日記エッセイ」集の第2弾。書き下ろしも。第1弾『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』と時期がかぶるけど初収録の文章が入っているので、「補填されている!」って、お得感がある。

やはり、ちょっとした気付きや思いつきを躊躇や気後れなく口に出せ、誰かが盛り上がればほかのメンバーも一緒にテンション高くなったりできるのって、嬉しいことだ。「有象無象のドーナツ」みたいな、反射神経で生み出されたような素敵フレーズが、まず古賀家で共有され、さらにこうやって公開されることで家庭外にも共有される、その不思議さとありがたみよ。

古賀さんの、年長者および親という立場からお子さんたちを見守りつつ、自分とは違う個性を持った人たちとして、きちんと対等に向き合っている感じが好き。ご自身の若かりし頃と引き比べて、息子さんや娘さんはこうなんだなーと冷静に感嘆しているようなくだりが何度か出てきて、そういうのを読むたび、なんとなくせつないような暖かいような気持ちが湧いた。

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(先日マストドンで言及した、「サウザンアイランドドレッシング」の話題が出てくる本というのは、この『おくれ毛で風を切れ』でした。この本のなかで「変な名前で色が濃い」と書かれていて、そういえばこの名称……と私自身の思い出がよみがえった。)

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ならの (@narano@mstdn.jp)