天官賜福グッズの金属しおりセット、紛失したり繊細な作りの部分がゆがんだりするのが怖くて使えず、しまい込んだままなので、もう「しおり」と認識することは諦めて部屋に飾ったりできないかな……と、ときおり思い出しては、悩んでいるのです。
しまい込んだままなのも寂しいじゃないですか。せっかくだから視界に入れたいじゃないですか。
いっそ額装とかしちゃう? って額縁を物色したり。
天官賜福グッズの金属しおりセット、紛失したり繊細な作りの部分がゆがんだりするのが怖くて使えず、しまい込んだままなので、もう「しおり」と認識することは諦めて部屋に飾ったりできないかな……と、ときおり思い出しては、悩んでいるのです。
しまい込んだままなのも寂しいじゃないですか。せっかくだから視界に入れたいじゃないですか。
いっそ額装とかしちゃう? って額縁を物色したり。
で、額装とかしちゃう? って参考資料を探していたら、額縁専門店のサイトにゆきあたって。
https://www.gakubuti.net/
このサイトに載ってる額装実例集が面白くてずーっと見入ってしまった。世の中には、いろんな思い出の品を額に入れて飾りたい人がいるのだ。
愛猫のひげ、蛇の抜け殻、ライブで会場に放たれた銀テープ、赤ちゃんの靴、ユニフォーム、缶コーヒーの空き缶、折れたバイオリンの弓、結婚式の日に向けて作られたてるてる坊主……。
羅小黒戦記のタペストリー(字幕版のパンフ表紙だった横にほっそながいイラストのやつ、あれ素敵でしたよね)でオーダーした人もいる! そうか、プロは裏打ちしたりするんだ、なるほど。
https://www.gakubuti.net/products/detail.php?product_id=3526
額縁について全般的に解説してくれてるコーナーも勉強になります(すごい情報量なのでまだ全部は読めてないけど)。立体物を飾る際の固定方法とか。
https://www.gakubuti.net/user_data/about_frame.php
#読書
新井素子『定年物語』(中央公論新社,2024年3月)
新井さんご自身の「ほぼ実話」な結婚生活を、作家の陽子さん&会社員の正彦さんカップルに託して描いてきたシリーズ、ついに正彦さんが定年。ずっと読んできた者としては、もうその事実だけで、かなりしみじみ。
1986年の『結婚物語』の頃は、自分がまだティーンだったので、この世の未知のシステムについて教えてもらうような気持ちでしたが、いまとなっては10歳程度の年齢差など塗りつぶされるような他人事でなさがある。加齢に伴う身体能力低下の話題とか、ご両親のこととか……。
とはいえ、やはり特殊は特殊なご夫婦だとも思いますよ。こんな人、いるんだ! って記述はいっぱい(少なくとも私にとっては)。
ここで具体例を挙げようとしたのですが、いろいろありすぎて取捨選択できなかった。まあ興味のあるかたはご一読を。陽子さん(新井さん)は説明作家なので、そのブレない特殊な部分を饒舌に語ってくださっていて、それが本作を分厚い娯楽小説作品として成り立たせている。
なんにせよ、おふたり仲良く充実した生活を送ってらして、なによりです。いつまでもお元気で!
#読書
R・F・クァン『バベル オックスフォード翻訳家革命秘史(上)』(訳:古沢嘉通/東京創元社,2025年2月/原書:R. F. Kuang "Babel, or, the Necessity of Violence: An Arcane History of the Oxford Translators' Revolution " 2022年)
異なるふたつの言語において、辞書上では対応している単語同士であっても、厳密には両者のあいだで意味するものの「ずれ」が存在してしまうであろうことは、外国語を学び、一方言語から他方言語への訳出を真面目にやればやるほど、実感されてくるものだと思います。
その「ずれ」が銀の棒を媒体として発動される魔力に変換されるという発想は、具体的にイメージしやすいのに斬新で、すごく面白い。
そんな世界の19世紀イギリスを舞台とした架空歴史ものである本作品では、各種言語を研究し、用途に合わせて銀を加工する技術を持つ王立翻訳研究所「バベル」をオックスフォードに擁する大英帝国が、世界の覇権を握っている。現実の歴史における産業革命の時代と同じく。
〔つづく〕
〔つづき〕
主人公である広東出身のロビン・スウィフト(というのは、英国での後見人に言われて決めた名前で、出生時には中国名があった)は、英才教育を受け貴重な中国語話者として、3名の同期生とともにオックスフォードに迎え入れられる。
でも、主人公たちが新たな知識を得ていく学問の道の物語、表面的には「大変だけど充実した学生生活」である日々は、常に人種間、ジェンダー間、階層間などの多面的な格差および差別によって裏打ちされ、不穏なものを秘めていることが、だんだんと明かされていく。
ロビンたちの存在自体が、バベルのシステムによって搾取されるために生み出されたようなものなんですよね。そしてその搾取は、大英帝国が海の向こうの国々に対しておこなっている搾取とパラレルである。
この上巻では、葛藤と憤りを胸に抱きつつ最終学年への進級を決めたロビンが、衝撃的な事件を起こしてしまうところで終わります。さて、どうなる。
〔了〕