ぼくはら果汁0%のオレンジジュースをふつうに消費しているけど、だからこそ本物が際立ちもするわけで、カニカマはどこまで行ってもカニカマであってカニではないように、ジブリ風の生成画像はどこまで行ってもジブリ風の生成画像でしかなくてジブリそのものではない。
ジブリなんかは組織としてブランディングされクレジットされているから実務として作画している個人は必ずしも前面に出てこないけど、作家の名前が著作者としてクレジットされる漫画やアニメに関しては、生成AI登場以前から根本的な問題は存在したわけで、たとえば漫画でひとつひとつのコマを見たときに、クレジットされる作者がすべて個人で描いているのか、アシスタントが描いているのか、あるいは分担して描いているのかはわからないけど、クレジットはすべて作者に帰属させられてきたわけよね。謝辞に名前を挙げられることはあっても共著ということには決してならない。これは、研究論文なんかでは絶対にあり得ないし、もしそんなことをすれば不正になるわけで、決して生成AIがイラストやマンガの最初の剥奪者ではないのよね。