めちゃ面白い話だ
「某所の原稿をgoogle docsで書いて編集者に送ったら、
勝手にgithubに取り込まれて、
プライベートレポジトリにinviteされ、
編集者がいじりまくった原稿がプルリで送られてきて確認を求められ、
github issueで方針相談
これだよこれ、現代の編集者は」
https://twitter.com/tokoroten/status/993953861105668096?s=21
めちゃ面白い話だ
「某所の原稿をgoogle docsで書いて編集者に送ったら、
勝手にgithubに取り込まれて、
プライベートレポジトリにinviteされ、
編集者がいじりまくった原稿がプルリで送られてきて確認を求められ、
github issueで方針相談
これだよこれ、現代の編集者は」
https://twitter.com/tokoroten/status/993953861105668096?s=21
面白いどころの騒ぎじゃないので是非やってほしいな
「よく考えたら、生原稿の価値というものと同時に、プロの編集者が何をやっているのか、という情報も非常に高い価値なので、
実はgithubのコミットログを販売するのが、おもしろいんじゃないのか?
生原稿、コミットごとのdiff、修正済み原稿
という、三つが付いた、電子書籍」
https://twitter.com/tokoroten/status/993976111074717697?s=21
コミットログのような形で修正結果と修正意図とが紐付いて残されていないと,なぜ手を入れたのか(あるいはあえて入れていないのか)わからなくなって,校正段階で折らなくていい骨を折ることになりがち…
あと複数人で同じものを編集するにあたっての利用という本来の観点からすると,共訳の仕事とかはGitHubのプライベートリポジトリを使ってやれると良さげ(なのだがうちの業界でそんなことができるようになるのは一体いつの未来の話なのか…)
私が部誌を編集するときも、メールで送られてきた tex ソースを私が git に取り込む感じでやっていた(ので履歴が残っている)
プログラムを,「動作している完成状態のもの」としてだけ理解するのではなく「その段階に至るまでに修正された不具合や追加された諸要素とその履歴を含めた総体」として捉えるから,ログを残すことへの意識が培われバージョン管理に関する技術が発展してきたのかなと思う(※素人が推測で書いています)
消費者というか使うだけの立場からすれば前者で十分なわけで,なんらかの意図で自分もそこに手を加えよう思ったりその対象の生成過程に対する関心を持っていたりすればこそ後者の視点が生まれるはずだから,そういうスタンスで臨む人が多いということでもあるのかしらん.
バージョン管理システムはRCSの時代から徹頭徹尾開発者自身のために作られてきたと思う。利用するだけのユーザーは念頭になかったはず。
ペトラルカ『カンツォニエーレ』の成立過程を,決定稿(Vat. lat. 3195 https://digi.vatlib.it/mss/detail/Vat.lat.3195 )と草稿(Vat. lat. 3196 https://digi.vatlib.it/mss/detail/Vat.lat.3196 )の比較から跡付ける文献学的な仕事も,別の言い方をすればコミットログを再建していくようなものかもしれない.
ソフトウェア開発以外の人にまでバージョン管理の考えが広まったのって、ここ数年な気がする
去年のじんもんこんで仏文と情報学の人がバージョン管理システムの話をしていたのでそのあたりからはすでに耳にしていた印象です.
「午後.東大の佐藤さんと京大の太田さんの発表.IIIF対応ビューアーMiradorの実演有.
フランス文学,情報学両分野の共同研究というのでもアツいが,着想の経緯を聞いていると,gitのようなバージョン管理システムとテクスト生成論の話になって興奮で鼻血出そう.」
https://twitter.com/ncrt035/status/863265561379196929
鳥を遡っても出てこないので思い違いだったらアレなんだけれどもこのときフランス文学の人とはロマニストのジャンフランコ・コンティーニについても話した記憶がある.
この人はある作品の成立過程を跡付ける「草稿批判 critica degli scartafacci」でも知られる人なので,そういう生成研究に馴染みのある側からするとバージョン管理の考えは取っつきやすいと同時に刺激的でもあるのかもしれない.
Stoppelliのイタリア文献学の本からcritica degli scartafacciについて.
https://gnosia.info/@ncrt035/99743789805379024
このStoppelliの本(https://gnosia.info/@ncrt035/99743707183439979 )からcritica degli scartafacciについての説明を見てみよう.
「ジャンフランコ・コンティーニに負うこの表現は原著者の文献学(※写本の筆写などで伝わる作品の文献学と対照して)の目的を上首尾に言い表している.草稿を再整理し,ある作品の生成過程を再構成することで理念的に著作者の製作現場へと入っていき,生き生きとした形で創造的メカニズムの動きを観察し,テクストとの最も近い接触を確立することができるようになる.」
Liber glossarumのデジタル版あるなんて知らなかったんですけどぉ…
http://liber-glossarum.huma-num.fr/index.html