話がどんどん通じなくなってるんだよな。それは新しい話が理解できないというより、過去に自分が学んだ「大事なこと」が「大事である」という感覚が、世界の変化、ゲームルールの変更によって通じなくなることによってそうなってる感じ。
自分たちが若い頃は言うても東西冷戦もあったし、第二次大戦や植民地主義などから理性や真理といった「西欧的」価値観」の捉え直しや「自分が正しいという信念の恐ろしさ」が問題視されていた。そのせいで明らかに過度な相対化があったりもしたけれど、そうした流れの中に置かれて理解されるべきもの(たとえば一時期のサブカルなんてのもまさにそうだろう)がたくさんあった。
今はそうした問題意識が薄らぎ「ダメなものはダメ。ダメなのは明らか。わからないやつは差別者」といった非常に「歪み」も「屈折」もない、シンプルで短い、ツルッツルの主張ばかりを見るようになった。とはいえ、こんなこと言ってると「はいはい、正義の暴走論ですね!」などとこれまたネットで誰かが流通させたタームを便利に「組み合わせ」て他人を斬る連中がゴロゴロと出てきて、いろんなものを一緒くたにしていくのだろうけど……。