Grimal, P.(1966), `Encyclopédies antiques', Cahiers d'histoire mondiale, 9: 459-482.
古代世界における「百科事典」の概略.古代におけるencyclopaediaは現代におけるそれとは違い,知識の陳列よりも組織立て,延いては「世界の秘密」の発見を眼目とした,という点を述べたのち,アリストテレスとその弟子たちによる諸学の体系化・目録化やムーセイオンの学者たちの活躍が,アレクサンドロス大王の征服による世界と知識の拡大の時代の出来事であることを出発点として,そのようなヘレニズム精神がローマ世界の実用主義と合わさり(その際,理論的知識と実践的経験の合一を果たした人物としてウァッローの重要性が強調される)ローマの百科全書主義思想が展開していく様子が時系列に沿って論じられる.