HomebrewがたまにHebrewに見える
そうか,プラウトゥスの喜劇も新しいLoeb版が2011-2013年にかけて5巻本で出ていたのね.前のNixonのやつが1916-1938年だから約100年前…
http://www.hup.harvard.edu/results-list.php?collection=1578
古典語と英訳が対置されていて便利なLoeb版は,古いやつはテクストがあまり信用のできない感じだったりするけども,どんどん新しい優れたものに置き換わっているのでもっと見ていかないと(灯台下暗し的に失念することが多い)
Bryn Mawr Classical Reviewの書評を眺めている限り,本文も翻訳も非常に評価が高いようなので入手を検討するか…
そいえば2017年にアイスキュロス『アガメムノーン』の校訂注釈書が3巻本で出ていた.
Medda, Enrico (a cura di). Eschilo. Agamennone, (3 voll.). Bollettino dei classici. Supplementi, 31. Roma: Bardi Edizioni, 2017.
https://www.bardiedizioni.it/shop/eschilo-agamennone/
Schironi, F., The best of the grammarians: Aristarchus of Samothrace on the Iliad. Ann Arbor: University of Michigan Press, 2018.
アレクサンドリア学派の文献学者アリスタルコスの詳細な研究書が出ている.彼の『イーリアス』注釈の断片分析に基づいてその方法論やそれ以前の学問とりわけアリストテレース詩学との関係を推測すると説明されている.
https://www.press.umich.edu/8769399/best_of_the_grammarians
昔あったものがなくなると悲しいので懐かしさを覚えるならちょっとやそっとではなくならなさそうなものにしておくのが望ましいが問題なのは懐かしさを感じる対象は自分でコントロールできない
「神々や宗教心に関してティベリウスは,かなり無関心であった.というのも彼は占星術に没頭し,『全てが運命に左右されている』との信念に満ちていた.もっとも雷は,人一倍恐れていた.それで天空が荒れてくると,月桂冠を必ず頭にかぶった,この種の木の葉は雷火で燃え上がらないと言って」(スエートーニウス(国原訳)『ティベリウス伝』69 )
「ティベリウスは,ギリシアとローマ双方の教養学課について,大変熱心に研鑽を積んだ.ラテン語の演説ではコルウィヌス・メッサラを生涯の手本とした.若い頃に老年にあったメッサラを尊敬していたのである.しかしティベリウスの文体は,極端な気取りと潔癖さとからいつも晦渋に陥り,そのためかえって即興の文章の方が,彫心鏤骨の文よりも優れていると考えられたぐらいである……しかしティベリウスは特に,神話伝説の知識を得るのに,物笑いの種になるくらい,馬鹿馬鹿しく熱心であった.たとえば文献学者に……およそこのような質問をして,彼らの学識を試していた.『へカベの母は誰であったか』『アキレウスが処女たちと一緒に暮していたときの名前は何であったか』『シレネスはいつもどんな歌をうたっていたか』」(スエートーニウス(國原訳)『ティベリウス伝』70)
最終成果物としてほぼ必ずdocxがもとめられる世界なのでこんなことを言っていてはいけないのだが……それにしても
Markdown で書いて Pandoc で docx に変換するという手も。
http://www.minimalab.com/blog/2016/08/16/convert-md-to-docx/
まさに普段はMarkdownで書いていて,部品がまとまったらLaTeXで処理して印刷用pdfを生成するという執筆フローになっていて,「wordファイルで出してね」と言われた場合にはPandocで変換後,スタイルを手で微調整するんですがその調整作業で難儀するなどしていた中で先ほどのような愚痴が出ました.