「若い女性が,親や旧式の先生が心配してとめるのに抗して科学者になることを主張しようとするなら,女性が科学でりっぱにやってゆけることを示す証拠としてキュリー婦人をあげるのは用心せねばならない.とび離れた実例を一般化しようとする傾向は,女性が生まれつき科学への適性を持っていることを人々に納得させはしない.キュリー夫人ではなく何万人もの女性が科学の研究で稼ぎ,しばしば幸福であることを,証拠としてあげるべきである」
P.B.メダワー(鎮目恭夫訳)『若き科学者へ 新版』みすず書房 2016: pp.36-37.