『現代数学』(2019年4月号)三浦先生の「歴史から見る数学 数学史から見る歴史」が今回はコレージュ・ロワイヤル(コレージュ・ド・フランスの前身で1530年に人文学者ギョーム・ビュデの助言のもとフランソワ1世により設立)における数学教授職について.
設立当初のコレージュ・ロワイヤルはギリシア語教授,ヘブライ語教授,数学教授の布陣で,ラテン語修辞学とかは後から加えられたというのは知らなかった.ここに数学が加えられたのは「数学によってフランスが繁栄し,周辺の他国や他民族を科学の領域で凌駕するため」で,当時はドイツの方が数学教育は先行していたので,フランスの大学の数学教育を促進する狙いがあったと.
メインに取り上げられている数学者オロンス・フィネの仕事も(エウクレイデース『原論』出版など)実用数学教育という性格が強かったらしい.ちなみに彼はルフェーヴル・デタープルの弟子だったりと,知っている古典学者の名前が色々出てくるのでおもしろい.