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仲町鹿乃子『わたしと隣の和菓子さま』(富士見L文庫,2022年6月)

偶然見かけ、10年以上前にネットで読んでて好きだった小説と同じお話だと気付いて、懐かしさに押されて手に取りました。

母が入院していたあいだ何年も余裕のない生活を送っていた慶子さんは、ようやくゆとりができた高3直前の春休み、家の近所の和菓子屋さんに初めて足を踏み入れる。

季節の巡りとともに変遷する店頭のお菓子たちが、どんどん興味を引かれてのめり込んでいく慶子さん視点で描かれるので、とにかくきらめいている。連動して、遅まきながら「青春!」って感じになっていく慶子さんの高校生ライフ最後の1年。

昔のバージョンを細かく覚えてはいないのですが、なんとなく、特に後半に入ってから、だいぶ加筆されている気がします。でも、全体的にノスタルジックなやさしい雰囲気は変わらない。

それはスマホ普及前の時代の物語(たぶん)だからというだけでなく、おっとり奥手な箱入り娘の慶子さんと、同級生である和菓子屋の大人びた跡取り息子くんの、ゆっくり丁寧に進んでいく関係に、穏やかでクラシカルなストーリー運びを感じるからかも。

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夫は、バス・ペールエール(Bass Pale Ale:イギリスのビールです)のこと何度訂正しても「バスペスエール」って言うし、こないだラナケイン(小林製薬のかゆみ止めクリーム)のパッケージを見て「ラケナイン」って言ってたし、羽毛布団のこと時々「もうふ布団」って言うし、ポテトサラダのこと「ポテチ」って言うのに、サカバンバスピスは正しく言えるんですよ。謎。