うーん佐藤道信の『〈日本美術〉誕生』微妙だな。「日本画」概念が明治20年ころに成立したという理屈はわかるし、制度的に日本画/洋画がこの時期に整備されたのはそうだけど、言葉としての「日本画」は当時そこまで使われてないと思うんだよな。
うーん佐藤道信の『〈日本美術〉誕生』微妙だな。「日本画」概念が明治20年ころに成立したという理屈はわかるし、制度的に日本画/洋画がこの時期に整備されたのはそうだけど、言葉としての「日本画」は当時そこまで使われてないと思うんだよな。
「日本画」確立に策動した岡倉が、官僚でありながらそうとうアナーキーなことをやっていたからで(明治30年代には彼は日本画の解体、アジア主義に向かう)、実際官僚としては追放されるけど、この事情は「日本画」という概念形成には影をさしているわけで、概念形成史としてはここを掘り下げてくれ〜となる。
というか、観念的な図式に当てはまるように資料を選別してしまっている。幕末から明治初期に、油画をもって洋画的なものを代表していたというのはぜんぜんそんなことなくて、銅版画は洋風画として見られていた。
買った古書に手書きで「文化八年」とか「元治元年」とか書いてあるんだが...。発売は明治19年なんだ。