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(チェルノブイリ)原発で働く人々は、原発を「コーヒーメーカー」「湯沸かし器」と呼んでいました。彼らは原発で5日間働いた後、両親の元に戻ってシャベルで芋掘りをするのです。彼らの意識には二つの世界が存在し、その多くは特に疑問を抱くことはありませんでした。
ソ連原子力界の権威、アレクサンドロフ氏は「原発は全く安全だ。(モスクワ中心部の)赤の広場に設置してもよい」と言っていました。これは、人間が自ら発明したテクノロジーに追いついていなかったことを示しています。
そして、今も同様です。人工知能(AI)のような新しい技術が発展するかもしれませんが、人間はそれをどう扱うべきかわかっていません。
人間は今、二つの現実を生きています。一方は、人々と街が破壊される、全く中世的なウクライナでの戦争。他方は、人工知能や宇宙船――。
人間の意識が到底受け入れられない、この二つの世界に、私たちは生きているのです。