このタイミングで酒orカフェインはまずいなと思ってグレープフルーツジュース飲んでる
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仕事で名古屋のときは新幹線だけどたしかに30分とかだから車中で何かしたりとかはできない微妙な時間…
「ちょっと必要があってフロンティーヌス『ローマ市の水道について』を見てたんですが,いっぱしの人間にとって任された仕事を補佐役の助言に従って行うほどの不面目はないので自分自身と後任者のためになるようこの仕事に関する覚書をまとめた,という執筆経緯を知って,かっこよさを感じました」
https://twitter.com/ncrt035/status/862292176394371072
in aliis autem libris, quos post experimenta et usum conposui, succedentium res acta est; huius commentarii pertinebit fortassis et ad successorem utilitas, sed cum inter initia administrationis meae scriptus sit, in primis ad meam institutionem regulamque proficiet. (Front. Aq. 2.3)
私が実務や経験の後に書いた他の書物は後任者の便益を図ったものだった.この覚書はおそらく後任者の役にも立つだろうが,しかし私の職務遂行の準備段階で書かれたものであるために何よりも私自身の手引きや指針のために役立つことだろう.
少なくともこの本に関しては自分自身のためという目的が主と取れるけれども,マニュアルを書くにあたって後任者の便利=事業の継続と属人化の回避という視点がちゃんとあるのは流石という感じがする.
フロンティーヌス『ローマ市の水道について』は,各水道の歴史や導水管の経路・規格,水道関連の法規などをまとめた淡々とした技術書なんだけれども,そういう中にあって壮大な水道アーチに話が及んだ際,
Tot aquarum tam multis necessariis molibus pyramidas videlicet otiosas compares aut cetera inertia sed fama celebrata opera Graecorum. (Front. Aq. 16.1)
これほどの水を伝えるかくも数多き必需の構造物を,明らかに無用なピラミッドやその他の,役に立たないが世評は高いギリシアの芸術作品と比べてみていただきたい.
というような言葉が聞かれるのはとても面白い.
「芸術より実務のローマ人」みたいなステレオタイプ感がなくもないが,およそ1900年近く昔のインフラ技術者の所感として興味深くはある.
あと言葉の点でmolesとoperaが対比されているのは注意を引く.molesというと『アエネーイス』の「ローマの民の礎を築くのはこれほどの難事業であったtantae molis erat Romanam condere gentem(1.33)」みたいなのが特に思い出されるので.