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通院から帰宅した夫が、病院最寄り駅の駅ビル内書店に1冊だけ残ってたよ、と品薄すぎて第3刷が決定している、一時期は某所での転売価格が1万円超にまでなっていたりもした、『すばる』6月号を。ありがとう……おじさんに(実質)BL特集を買わせてすまぬ……。

目玉の『魔道祖師』については、鼎談メンバーのひとりがラジオドラマの監修者だし、実写ドラマ版に特化して取り上げた記事もある一方で、アニメの存在はほぼ無視なので、原作小説以外ではアニメ版しか全話履修していない私は、本来のターゲットど真ん中層じゃないのに入手困難な雑誌をゲットしちゃってごめんねえ、という感じ。たいへん面白く読みはしましたが。

ずっと沈黙が続いてて中国でのBL規制の噂との関係もありいろいろ心配されていた墨香銅臭先生がお元気そうでよかったです(この号には、規制の実態に言及した解説記事も別途あります)。

あと特集関係ないんだけど、デビュー作がものすごくよかった永井みみさんの第2作が掲載されていて嬉しい。

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永井みみ「ジョニ黒」(集英社『すばる』6月号掲載,2023年5月)

この著者のデビュー作『ミシンと金魚』が本当にインパクトあったので、次作はどう来る? と気になっていました。

今回は、少しばかり複雑な家庭環境にある昭和の時代の小学4年生男子が過ごした、夏休みの最初から最後まで。年長者としての立場も見せつつ臆面もなく身勝手でもある大人たちのあいだで、少年は少年なりに周囲を見通し、奮闘しながら生きているのだ。

空想も現実もごった煮になった思考の流れがそのまま実況されていくような文章に、心をずんずん運ばれるみたいな感じで読み終えた。
 
 
↓ 永井みみ『ミシンと金魚』の読了後メモ(2022年8月)
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2022年8月に読んだものメモ | 虫のいい日々