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読了:
ますむらひろし『銀河鉄道の夜 四次稿編』第3巻(原作:宮沢賢治,1934年/有限会社風呂猫,2023年5月/底本:『宮沢賢治全集』第7巻,筑摩書房,1995年)

去年2巻まで読んでたものの続き。ジョバンニのポケットに入ってた切符が実はすごい通行券だと言われた直後から。

おしゃべりな鳥捕りのことを邪魔だと思ってしまって後悔したり、乗客の女の子と楽しそうに話が弾んでいるカンパネルラにいらいらして悲しくなったり――というジョバンニの心の機微の部分、小説で読んだときは、カンパネルラへの思い入れがなんだか生々しいな、という感想を抱いたのですが、ますむらさんの猫キャラだと、その寂しさと向き合うさまが、ただただ純粋さを感じられて愛おしいような気がしてくる。話の輪に入れず窓の外を見ているときの表情とかさー。

本作は「四次稿編」ではあるのだけれど、この巻ではイレギュラー措置をとって、原作の3次稿以降では削除されている、銀河鉄道の窓の外をイルカの大群が泳ぐシーンが注釈をつけたうえで挿入されています。ここの見開きカラーが息を呑むほど素敵(彩色担当は増村昭子さん)。描いてくださってよかったです。

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ドイツ現代史研究の取り返しのつかない過ち――パレスチナ問題軽視の背景 京都大学人文科学研究所准教授・藤原辰史(2024年2月23日)
chosyu-journal.jp/heiwa/29293

 
“そして歴史学そのものが、人間の足跡と尊厳を簡単に消すことができる暴力装置であることへの自覚の希薄さがある。その政治的緊張感のなさは、ドイツ現代史に限った話ではない。”

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ドイツ現代史研究の取り返しのつかない過ち――パレスチナ問題軽視の背景 京都大学人文科学研究所准教授・藤原辰史