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三浦しをん『好きになってしまいました。』(大和書房,2023年2月)

2012年から2022年に執筆されたエッセイが収録されている。旅にまつわる長期連載のほか、日常の暮らしや読書に関する文章も。

とにかく、三浦さんは善きひとである。なにごともポジティブに解釈できるし、旅先でのちょっとした出会いも逃さず記憶して大切な思い出にできる。このようなオープンマインドでこまごまとした世界の情報をインプットして小説に昇華させていらっしゃるんだなあ。

また、万が一にも誰かに嫌な思いをさせるかもしれないツッコミどころは、念入りにつぶしていく気遣いも印象的。たとえば、旅先のとある町が『進撃の巨人』みたいだと書いたあと、速攻で実際には非常に平和なところだと補足を入れる律義さとか。

そして長年の断続的読者として、ご家族とのやりとりが相変わらずでほんわかしたり、野良猫の「ぶちゃいく二世」が登場する2018年の文章で、一時期は三浦さんのエッセイの常連だった元祖「ぶちゃいく」くんのことを思い出し、三浦さんのなかにもちゃんと彼の存在が残っているとあらためて分かったのが嬉しかったりしてました。

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そういえば、お昼間に柏餅を食べながら、この葉っぱにアイコン用の虫をのっけて写真を撮りなおせばちょっとはマシになるのでは? って思ったんですけど、食べ終わる頃にはすっかり忘れてて、葉っぱもそのまま捨ててしまったのだった。
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ならの (@narano@mstdn.jp)