オタク文化が単純な勧善懲悪じゃなく、正義の相対化をそこまで描いてきたかというと、言うほど深く掘り下げてきたわけじゃないと思う。
のちのガンダムの続編やフォークにしても、戦争に至る背景をもっと描写できたはず。国家間の持てる持たざるの不平等。大国に足元を見られた小国のプライド。貧困層の押し付けやらなにやら。地球圏規模の格差社会。
でも結局そのへんの背景は長ゼリフでやいやい言い合うだけで処理してしまって、ロボットプロレスに尺を割いてきたわけで。
安彦先生なら、そういう社会的な背景も描けるはずだったのだけど、オリジンではやらなかった。だって大多数のライトなオタクは求めらてないもん、そういうの(もちろん原作(ファースト)を大事にして逸脱しすぎないようにしたのが最大の理由だろうけど)。