10/1公開2週目鑑賞。ジョン・ウィックシリーズは一作目をレンタルで観た以降はリアルタイムで映画館で鑑賞していたので好きなアクション映画の一つと言っていい。
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とはいえストーリーの8割がドンパチなのでどんな流れだっけ？内容の大半を忘れたまま特に予習もせずに観に行ったがちゃんと「これまでのジョン・ウィックは！」ダイジェストが入ったのでありがたかった。ナレーション付きなので好き嫌いあるかもしれない。

傑作に対するオタク的ミームとして「体感○分」という表現があるが、このインタビュー https://theriver.jp/jwc-3h-45m/ で『初版は3時間45分あって、体感としても3時間45分だったんです。だから「あっ、やっちまった」という感じでしたね』とチャド監督が語っているのを読んでいたので、編集を加えられたとはいえ2時間49分という長さに一抹の不安を抱えながら席に着いた訳だが、耐え難い程苦痛な長さには思わなかったのでひとまず安心した。
というのも、やはりジョン・ウィックシリーズは基本的にテンポがいいというのがある。今回で言えば開始30分以内にみんな大好きコンシェルジュのシャロンが初登場のいけ好かない侯爵に撃たれて死に、開始60分以内に目玉キャストのドニー・イェンと真田広之とリナ・サワヤマが登場し序盤の山場である大阪コンチネンタルでの戦闘が始まる。ここの一連のシークエンスが今作では個人的には一番好き。

ジョン・ウィックシリーズは徹頭徹尾中二オタクによる中二オタクへ向けられた作品なので(語弊)「みんなもぐもぐ何か食べながら激強い盲目の仕込み杖遣い殺し屋ドニーさんや日本刀は必ず血を払ってから納刀する友の為命を狙われることをも厭わない情に厚い真田広之や父親の右腕として働く近接戦闘に優れたぱっつんポニテ娘のリナ・サワヤマとか桜に攫われそうなキアヌとか見たいでしょ！？」という寿司ハンバーグラーメンカツカレーセットの如き夢のような全部盛りが次々お出しされる。夢かな？
中二オタク向けが故にやたら契約や誓約や紋章やら手順を踏みたがるので、ジョンが決闘を果たす為に主席連合所属のルスカ・ロマへの復帰が必須で、課された条件が敵であるキーラを討つこというこの回りくどいさは正直冗長さを感じたし、ポーカーのシーンも対キーラ戦も目新しさは感じなかったが、ここら辺はスキップ不可の必須イベントと思えばまあまあ……チャド監督、濡れキアヌがどうしても観たかったのかな？(濡れ衣)(濡れキアヌだからに)

大阪コンチネンタル戦、クラブ「天国と地獄」戦、凱旋門戦、フォヤティエ通りの階段戦と集団戦・乱戦は既にやり尽くされていたので、ラストの決闘が一対一での撃ち合いというシンプルな形式だったのは緩急が効いていて良かった。
ケインを撃ち殺し晴れて自由の身、という選択もできたはずのジョンが瀕死の負傷を追ってまでもケインを生かし共に自由の身になるあの方法を選んだことこそが「殺し屋ジョン・ウィックを永久に葬り去る最終手段」であり、「妻を愛した夫として妻と並び墓地で安らかに眠るための証明」だったと思えてかなり好きなエンドマーク。殺し屋が最後に殺したのは殺し屋としての自分だったとか超ベタ〜！でも好き〜！！
ジョン、人間に戻れて良かったなあ。