2025-04-10 13:19:42 うさぎ屋@妹尾ゆふ子の投稿 usagiya@mstdn.jp
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【全体公開】
毎週木曜日に更新したい FANBOX!
今週の更新は、ファンタジーとも建築とも関係のない話です。
たまたま、身近でそういう話があったので、一回ちゃんとまとめておくべきかなと思い、わたしの考えを書きました。

なるほど納得と思われたら、拡散していただいてもいいかと思います――誰だって、ある日突然「がんになったんだ」と告白される日が来るかもしれないので、心の準備として。

がんになった人に、どう声をかければいいの?|pixivFANBOX
usagiya.fanbox.cc/posts/968573

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がんになった人に、どう声をかければいいの?|うさぎ屋@妹尾ゆふ子|pixivFANBOX
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昨日は、三菱一号館美術館で開催中のビアズリー展に行っていました。
mimt.jp/ex/beardsley/

25歳で夭折したオーブリー・ビアズリー(1872-1898)の生涯に沿って作品が紹介されています。関わりのあった同時代の画家の絵や、当時の流行だったジャポニズムが取り入れられている家具や食器の実物などもあり。

ビアズリーについてさほど詳しくない私のような者にとっては、これまで有名どころの作品から得られた絵柄のイメージだけふわっと念頭にある感じだったのが、ぐぐっと解像度が上がってとても面白かったです。

子供の頃にはケイト・グリーナウェイの絵本を愛読していたという話から始まって、グリーナウェイ風と言えなくもない似顔絵作品なども展示されてるんですよ。たしかに時代を考えると、グリーナウェイで育っていてなんの不思議もないんだけど、個人的にはビアズリーとグリーナウェイを関連付けて考えたことが一度もなかったので、なんか序盤のところから軽く衝撃を受けました。

〔つづく〕

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異端の奇才 ビアズリー展|三菱一号館美術館
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〔つづき〕

あとこの人、作風を好んでいた先輩画家ですら自作で揶揄を込めてパロってしまったりと、人物的にだいぶ尖っている。有名なオスカー・ワイルドの『サロメ』の挿絵を描いたときも、そういうのでやらかしてワイルドと仲悪くなってるし……。

仕事を干されていた頃にやむなく描いた18禁絵が、破棄してほしいと言い遺しておいたにもかかわらず、没後130年近く経っても海外の美術館にまで送られ「画風の変遷を探る上で重要な時期」みたいに解説されて知らん人に観られているのは、普通にお気の毒だな(と言いつつ順路に従ってすべて観たけど)。

ベタ塗りの黒の部分を多く取って、ぱきっとコントラスト強めでデザイン性を出したような作品の印象が強かったのですが、不遇の時期を経たあとの、点描や日本の漫画で言うところのカケアミ的な技法で、ベタをあまり使わず描き込み密度の濃淡を駆使した作品群もよかった。

長生きできていたら、このあとはどんな絵を……ということを、どうしても考えてしまいます。

(写真OKの部屋もありましたが、自分のしょぼいスマホとしょぼい腕ではあまり意義を感じず、でもちょっとだけ撮った……。)

〔了〕

三菱一号館美術のレンガ造りの建物の、正面玄関とは反対側の壁面に掲示された「異端の奇才 ビアズリー展」の垂れ幕の写真。『サロメ』挿絵のモノクロ画「クライマックス」に赤いスペースを重ねて配置し、その上に黒で文字入れした図案。
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展示室の壁の一部を右側から斜めに撮った写真。一番手前は『サロメ』挿絵の「孔雀の裳裾」。奥には同じく『サロメ』の挿絵「ヨカナーンとサロメ」が見える。
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展示室の壁の一部を左側から斜めに撮った写真。一番手前は『THE STUDIO』誌の宣伝ポスター。
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