出版の自由とマイノリティの権利を対立させて論じる人ばっかりだが、そうとも限らないからな。

今「出版」の意味が変わってきているというか、その境界が曖昧になってきている。もちろん物理的な紙の本としての境界はあるのだが、たとえば今回のKADOKAWAの件で言えば、出版担当者が事前に百田尚樹やナザレンコなどの保守論客に「弾圧が予想されるからSNSでの支援を頼む」と原稿を渡していたという。「ほらみろ差別する気満々じゃないか！」って言うんだけど、そういうことではなくて「出版」側からしたらその手の「弾圧」の反応を巻き起こすために本を出そうとしてるのかもしれず、「してやったり」かもしれないんだよね。本を出すため売るためにSNSを活用ではなく、SNSでアテンション稼ぐために本を出すっていう。それこそ今度はこれを「ネタ」にAbemaみたいなやつに出演したりとか「メディアミックス」的に展開してアテンションを稼ぐことができる。

近代的な原理原則論からではなく、皆が「どちらのほうが今回は差別がなくなるか」という直近の「コスパ」感覚で論じているようにも見えてくる。目先の「リターン」のために「どっち」か、っていう。目先ではそうかもしれないが、そうするとこうなって困る、だから原理原則があるのだが、そうした視点がすっぽり抜け落ちて「傷つく人がいるのでそちらに立つ」と対立構造を措定され、「こちら」でなければ「あちら」と表象されていってしまう。ところが、そう考えると「無事に出版され批判もされるが一部界隈でのみ話題が流通」というパターンと「多くの声によって事前に出版が停止。そのことで　SNS中でより多くのアテンションを集め、その話題を元に各種配信番組、YouTubeなどで取り上げられる」のどちらのほうが「コスパ」がいいのか実は結構わからない。そんな時代の流れになってないか。

そんなこと言うまでないこと、くらいで、当然のことながら、トランスジェンダーに対する差別や偏見の助長に対し、許せないと思っている。今回、KADOKAWAが出版を自主的に停止したことについても、アナウンスが中途半端だとかそういう不満は残るが結果として良かったと思っていた。が、事前に「弾圧」を予測して各方面に原稿渡してたとか、視野を変えてみると相手の「狙い通り」なのか？？とも見えてしまって。

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ゴリゴリの差別者ばかりに事前に支援をお願いしてる、こいつらも思いっきり差別者丸出しだ！ってそういうことじゃなくて......いや、そういうことなのだとしたら問題は、「弾圧」されて「こうなる」ことまで織り込み済み、出版を紙や電子の特定の情報の塊だけではなく、そこから派生するSNSや他の動画プラットフォームとの複合的な言説体系と向こうはみなしてることで、一言で言うと「つられてる」可能性すらあるってそっちのほうが問題なんだけどな......。

差別者と結託するような差別者だ！と言えればそれでいいんかよと……。

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「弾圧」を予期して事前に極右論客に「支援のお願い」と原稿を送っていた&そのことを極右論客が外に漏らすことまで分かった上でやってるKADOKAWA担当者のほうが、ピンクウォッシュだとの具体的な批判を想定できてなかったゼクシィ編集長より、よっぽどPR（パブリックリレーション）のセンスあるんだよな。

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「あっちのシナリオ」のような発想もないんだよな。「正しい！」「それは間違ってる！」。それで終わり。なんていうか「三手先」読んでないのか？と不安になることが多い。「銀取ろうとしてきたんで返り討ち。飛車取ったった！」で喜んでる。そのせいでこちらもあれこれ失う可能性だってあるのだし、下手したら王手を出される危険だってあるのに。

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そのほうがいいよ。やかん、お大事に。

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多分理解しないんだろうなって、そっちのほうが例を見るとストレスになってる。

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まあでもハメ技なんだよね。出版に反対せずにスルーしたらさらにますます過激な文言つけてどんどんその手の本を出していくんで。かといって反対するとそれ自体がアテンションエコノミーの中で、何も批判されずに出版した時よりも圧倒的に大きな話題を集めることになってしまう。KADOKAWAがやってることは青識亜論とかとまったく同じだよね。

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今日も料理しながらホッピー飲んでます。話したい人、暇な人いたら入ってきてくれ。（どなたでも参加可）https://discord.gg/cEaR8Kby #料理番組というチャンネルにいます 。

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