スマホの写真アプリさんが「5年前の思い出どぞ」って通知で出してきた、2020年3月16日撮影の写真。これはオトメツバキってことでOK?(最初、勘違いしていて「ヒメツバキ」で検索したらぜんぜん違う花の画像が出てきたので困惑しました。)
スマホの写真アプリさんが「5年前の思い出どぞ」って通知で出してきた、2020年3月16日撮影の写真。これはオトメツバキってことでOK?(最初、勘違いしていて「ヒメツバキ」で検索したらぜんぜん違う花の画像が出てきたので困惑しました。)
アニメ『チ。 ―地球の運動について―』全25話、観終わりました。面白かったー!
https://anime-chi.jp/
原作は本当に最初のとこしか読んだことなかったので展開をまったく知らなかったのです。で、はじめのうちは「ふーん?」って感じで観ていたのが、第3話で「えー!? そういう話になるの!?」って心底びっくりしてガタッと前のめりに。
そのあと始まった第2章で情緒をゆっさゆっさ揺さぶられて、その続きの第3章の終盤でふたたび「ああ! これはそういう話だったのか!」って、ここでそれまで観てきたエピソードの見え方が変わることに感心し。
そこから最後の章に入ったら突然、それまでと設定が明らかに違う、でもでも……っていう。ちょっと視聴者(原作の場合は読者)を突き放して解釈を委ねるようなところもある、トリッキーな構成でしたね。こういうの好き。
〔つづく〕
〔つづき〕
メインのキャラクターそれぞれ癖があって、一般的な意味で好感度が高いとは言えない部分もあり(バデーニさんとか第一印象サイアクでしたもん、なのに結局お気に入りキャラになりましたもん)、属する社会のなかには素直に溶け込めないものを持つ人々で、そういう彼らが真摯に生きて互いに影響しあって信ずるものを次世代に受け渡していこうとするっていうのが熱かった。
明確に「良い子」だった少女ヨレンタさんだって、静かに「我」が強い。興奮すると挙動不審な早口になるの素敵。そういう人たちが、名前は残らずとも志を担っていく。
でも最後の最後には、最終章にもあの「彼」がいて同じような人格のまま、序章とはまた違う状況では反転した行動をとることで、その信念の貫き方、志の担い方にも別の視点が投げかけられる。すごくすごく面白い構成だった。
〔つづく〕
〔つづき〕
あと、ぐりぐりぬるぬる動くだけがアニメのよさじゃないんだなあ、みたいなこともあらためて認識しました。オクジーくんの戦闘とか、動くシーンもあるけど、印象的な場面の多くはあまり動きがなく、ひたすら対話が続くようなところ。
力のある声優さんの演技と音楽と色彩の強み。めちゃくちゃ緊迫していて命の危険があって一刻を争って焦らなくちゃいけないはずの場面に、繊細なきらめきを感じさせる穏やかで美しい劇伴がついていたりして、それがまたぎゅーっと来るんだよ……。巧いなあ。
OP曲も好きでした。これは期間限定公開のアニメ映像版MV。
https://www.youtube.com/watch?v=UexbDmxHW0U
それと、夜空の美しさ。とりわけ、登場人物の「瞳に写った」星空の美しさの描写が要所要所に差し挟まれていて。ここぞというときの瞳のアップの描き込みがとてもきれいで、説得力があって。
とはいえ、モノクロページの原作漫画もだいぶ欲しくなってきてます。たいへん刺激的な、文字で読んでじっくり咀嚼したい台詞がたくさんあったので。「文字はまるで奇跡」(作中の言葉)なので。
〔了〕
@mayumihayashi リタイアしたお気持ち分かります~。私もアニメの放送をリアルタイムで視聴はする気になれなくて(時間帯が遅かったのもあるけど)、配信で一時停止ボタンを何度も押して覚悟を決めながら再生を進めたり……津田健次郎さんが演じる異端審問官がじわじわ追い詰めてくる感じがもうその段階で怖くて……。でも物語そのものは面白かったのです。
全8巻でまとまっているというのもたしかに手を出しやすいですよね。
#読書
白川紺子『烏衣の華 2』(角川文庫,2025年1月)
今回は優秀な巫術師の少女・董月季と、その婚約者である封霊耀、さらに前作の最後で封家に身を寄せて巫術の修行をすることになった青年・鬼鼓渓の3人で、持ち主が次々と不審死を迎えていたいわくつきの香炉の背景を調査していく。明らかになる経緯と、よそから来た者に対する「普通の」村人たちの持つ残酷さがつらい。
前作では霊耀の朴念仁ぶりが際立っていたけど、今作では、これまで自分から示した好意が曲解されまくっていた月季のほうも変に学習してしまっているのか、せっかくの霊耀の気遣いにもきょとんとしていたりするのが印象的で、やはりもどかしいすれ違いが発生しています。がんばれ。
いよいよ、別シリーズ『後宮の烏』と同じ世界が舞台であるというのがはっきりしてきて、登場する共通のキャラクターも複数に。
そして前作で語られた月季の幼少期と、今回の事件を含め各地で起こっている異常事態のかかわりが示唆され、新たな展開へ。この第2巻までは「序章」的な位置づけで、次から壮大なメインストーリーに入っていくということなのかな。
#読書
角野栄子『角野栄子 エブリデイマジック』(平凡社,2019年8月)
あらかじめ謝っておきますが、国際的な賞も授与された世界的児童文学作家である1935年生まれの角野さん、白状すると私のなかでは「高齢女性界のファッションリーダー!」みたいなイメージのほうが強くて。作品はあまり読み込めていないので、こういう角野ワールド解説本を手に取る資格はなかったかもしれないのです。すみません。
でも、本当にいつもどんな媒体でお写真を見ても、すっごく素敵じゃないですか。本書でも、きれいにお手入れされた白髪に似合うビビッドな色使いとキュートなシルエットのお洋服や、ポップな眼鏡コレクションのページにテンションが上がります。
一方、これまでの人生が語られるパートには、5歳でお母さまを亡くされたこと、戦時中の学童疎開、敵性言語だったはずの英語が戦後は必須科目になり、やがて大学では英米文学を専攻したこと、海外旅行がまだ自由化されていなかった時代に冒険心からご夫婦で自費移民として船でブラジルに渡ったことなどが記されており、そういった経験が創作の土壌となっていったんだなあとしみじみします。
〔つづく〕
〔つづき〕
角野さんが旅先から持ち帰った、さまざまなアイテムが紹介されるページもわくわくします。私は子供の頃、角野さんの作品『ズボン船長さんの話』がとても好きだったので、船長さんのおうちの、ひとつひとつに物語がある世界各地からの「宝物」たちを連想しちゃいました。
執筆生活の具体的なお話も示唆的。とにかく書く。アイデアが浮かばないときでも寝っころがったりせず、机の前には座りつづけて、絵を描いたり礼状を書いたり、なにかしら手を動かして身体のコンディションを保つ。ストイック。アスリートみたいですね。
でも創作に限らず、いろんなことが、わりとそういうものかもしれないな、と。放棄しないでいると、とりあえずなにかは残る。今日はもう無理ですわってときに、だらけずにいることは正直なところいまの私には難しいけれど、心がけとしては意識しておきたい。
本書が出版されたのは6年近く前ですが、角野さんの公式SNSアカウントを見ると、御年90歳の現在も相変わらずおしゃれに元気にお過ごしのよう。これからも理想の後期高齢者像のひとつとして、晴れやかな笑顔を崇めさせてほしい。また作品も読みます。
〔了〕
【八王子市夢美術館 夢美セレクション展】
https://www.yumebi.com/exb.html
美術館が収蔵・管理しているもののなかからの展示。
清原啓子(1955-1987)の銅版画5点を目当てに観に行ったんですけど、明治時代の小説本の口絵に使われた木版画コレクションのコーナーも面白かったです。当時の単行本の現物展示もあり、この頃の装丁デザインがけっこう、いまの感覚で見ても洒落てるなあと思ったり。
清原啓子作品、同じ美術館で2014年に大量展示をやったんですね。えーん、この頃にこの作家さんを知ってたら、絶対に行ってた。
https://www.yumebi.com/acv62.html
八王子に縁がある洋画家のコーナーもありました。96歳で逝去する直前まで制作を続けていたという大野五郎(1910-2006)については、85歳でヨーロッパ旅行したときの風景画作品(そこそこ大きい)なんていうのも展示されてて。
思わず我が家の高齢者たちと同じくらいのお歳のときだよなあって引き比べてしまい、「なんてお元気な」とか……いやいやいや、キャプションに感嘆するんじゃなくて、もっと純粋に作品を鑑賞しようよ私。
読了:
獸木野生 『パーム44 TASK Ⅸ』(新書館,2025年3月)
約3年ぶりの新刊。ずっと同じこと言ってる気がするけど、以前のエピソードでいったん、主要登場人物たちの人生が最終的にどうなっていくのかのダイジェストが一気に開示されており、そのすでに漠然と見えている物語の結末へのカウントダウンがどんどん進んでいくので、余計にハラハラする。
表層的にだけ見れば悲劇に終わるひとも、おそらく実際にそのときが来たら、そんな単純な描かれ方はされないんだろうというのも予想されるし。結末分かっているのに、先が見えなくてどきどきしている。
この巻でついにカーターとジャネットが結婚するところまで来た。シリアスな展開が続くなかで、妊娠をめぐるジャネットとジェームスの、ビアトリスの件を踏まえたやりとりはテンポ感も相まってちょっと笑える。しんみりさせられる部分もありつつ。
そしてジェームスは妻子とともにアフリカへ。都市文明の世界から去る前に残した置き土産の発明品は、今後どういう役割を果たすのか、それとももしや、役割を持たないことにこそ意義があったりするのか。
#読書
石沢麻衣『かりそめの星巡り』(講談社,2024年11月)
ドイツ在住の作家による随筆集。同著者の小説作品と同じく、現実と幻想の記憶が重なり合うような視覚的印象が静かに喚起され、大切にゆっくり読み進めたくなる。
歴史のある街並みやそこでの季節感が端正に描写され、日々の生活の断片が主観的に綴られていくなか、対象に真摯に寄り沿いつつも、同時にどこか自分から離して置いているような冷静さと客観性も感じる。それはドイツで伴侶を得た定住者であっても、ルーツが異なる者としてのまなざしは不変だからか。
ロシアによるウクライナ侵攻が始まったときの文章で表現される街なかの空気感に比して、イスラエルによるガザ侵攻が始まったときの文章内の「見えない壁」という言葉ににじみ出るもどかしさも、著者がその場では異邦人であるからこそ、より強く実感されているのかもしれないと思った。
美術評論も収録されており、取り上げられている絵画はネットで画像を検索して確認しながら読んだ(便利な世の中になりました)。浅学ゆえ本書で初めてレメディオス・バロという画家を認識したが、すごく好みの作風。本書のおかげで知れて嬉しい。