12:30:38
2024-03-05 20:41:59 山川夜高🏖️通販開始の投稿 mtn_river@misskey.design
【閲覧注意】夜の公園でめちゃくちゃ怖い目に遭った話 #小説 (冒頭)
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:null:

 ええ本当に不気味な話なんです。本当に怖いわ。私今すぐにでもこの家を売払ってしまいたいもの。いやね家が怖いんじゃないわ。家の隣の公園。ここね、絶対に、何・か・い・る・の・よ……そう、初めておかしいと思ったのは、ええと、一月の終わり頃だったかしら。

 私ずうっとあの公園からは嫌な感じがしてたわ。だってあそこ、夜も街灯一個しかなくて、暗いし、周りの木がうっそうとしていて、本当にジメッとした雰囲気なの。公衆トイレはあるんだけどそこも暗いしゴミやラクガキばかりで、自動販売機を利用する人もいないし、昼でも人影がなくって、本当に悪い若い人達のたまり場になっちゃいそうでね、とにかく嫌だったのよ。

 でね、夜中に悪い事件がないように、私家の窓から時々公園を見張ってたの。まあ不良とかはいなかったわ、今時の子はやっぱり駅前の方にたむろしているのかしら。

 ある日夜遅くに私が見てたら、ガコン、って音がしたの。誰か自動販売機で何か買ったんだわって思ったわ。だから一応自販機の方を見たのよ。そしたら――誰もいなかったのよ!

 そしたらピピピピピピーって鳴ってね。自販機のルーレットが回って、もう一本当たっていたの。めずわしいわ。私一回も当たったこと無いもの。それでも自販機の周りに人はいなくてね。私、誤作動かしらって思ったの。

 でもそれからも夜中に自販機が動くことがよくあったわ。息子が言ってたけど昼間にも動いてたことがあったって。それから夜中になんだか声が聞こえるようなこともあって、あれは男の声だったわ。私公園にホームレスがいるんじゃないかって思ったの。やっぱり迷惑でしょう。だからある日交番に相談してみたの。

 次の日に巡査さんが来たわ。巡査さんも一回公園を通りすがったとき、誰もいない公園からスリラー歌ってる声が聞こえたことがあったそうなのよ。だからすぐ来てくれたのね。一番色々起きている、夜に来てもらったわ。

 私達懐中電灯を持って公園に行ったの。巡査さんは警棒も持ってたわ。それで何十分か一緒にくまなく公園を回ったんだけどトイレにもどこにも人はいなかったのよ。今日はいませんねまた来ましょうと巡査さんが言って、私達帰ろうとしたのよ。

 そうしたらね、またもう、見計らったように、ガコンって、自販機が動いたの。私達が公園にいるときに動いたのははじめてだったわ。私、もう不気味で怖くなって、巡査さんの横にぴったりくっついていたわ(その巡査さん、まだ二十代で、顔立ちも幼い所があってカワイイのよ)。

 そしたら巡査さんが突然ウワーッて悲鳴をあげたの。かと思ったらガックンと、ひざから倒れちゃったのよ! 巡査さんがひいひい言って、泣きそうになりながら、

「ひ……ひ……ヒザカックンされた!!」

 それであたりを見たけれど誰もいない。私と巡査さんしかいないもの。

 こんなんだから私達いそいで公園から逃げたわ。私が巡査さんを背負って走ったのよ(立場が逆よね)。あとで巡査さん、真っ青になって、「これは我々の手には負えません。凶悪すぎます」って逃げちゃったわ。

 手に負えないなんて言われても困っちゃうわよ。私当事者よ。怖いけど、このままに出来る訳ないじゃない。前にお友達から祈祷師さんを紹介されたことがあったの。その時は、何うさん臭いって思ったけど、警察に頼れないんだから仕方ないわ。まず祈祷師さんに電話口で相談したの。

「それはポルターガイスト現象でしょう。おまけに相当上位の霊かもしれません。ううん一度行ってみましょう。ですが最初から夜に行くのは危険です。奴は夜に力を増す。まず昼に下見です」
……

:arumikan:​​:konpota:

というなんか「洒落怖」っぽい冒頭とほのぼの疑似家族ムーブからは信じられない実験小説に転げていくWeb小説『これは物語ではない』はこちら。忘れた頃にこっそり連載中。

なぜなら、これは物語ではない。

https://libsy.net/disstory/prelude

18:57:26
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:pat_dog_kunkun2:

:dog_bite:

18:57:50
2024-03-05 20:41:59 山川夜高🏖️通販開始の投稿 mtn_river@misskey.design
【閲覧注意】夜の公園でめちゃくちゃ怖い目に遭った話 #小説 (冒頭)
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:null:

 ええ本当に不気味な話なんです。本当に怖いわ。私今すぐにでもこの家を売払ってしまいたいもの。いやね家が怖いんじゃないわ。家の隣の公園。ここね、絶対に、何・か・い・る・の・よ……そう、初めておかしいと思ったのは、ええと、一月の終わり頃だったかしら。

 私ずうっとあの公園からは嫌な感じがしてたわ。だってあそこ、夜も街灯一個しかなくて、暗いし、周りの木がうっそうとしていて、本当にジメッとした雰囲気なの。公衆トイレはあるんだけどそこも暗いしゴミやラクガキばかりで、自動販売機を利用する人もいないし、昼でも人影がなくって、本当に悪い若い人達のたまり場になっちゃいそうでね、とにかく嫌だったのよ。

 でね、夜中に悪い事件がないように、私家の窓から時々公園を見張ってたの。まあ不良とかはいなかったわ、今時の子はやっぱり駅前の方にたむろしているのかしら。

 ある日夜遅くに私が見てたら、ガコン、って音がしたの。誰か自動販売機で何か買ったんだわって思ったわ。だから一応自販機の方を見たのよ。そしたら――誰もいなかったのよ!

 そしたらピピピピピピーって鳴ってね。自販機のルーレットが回って、もう一本当たっていたの。めずわしいわ。私一回も当たったこと無いもの。それでも自販機の周りに人はいなくてね。私、誤作動かしらって思ったの。

 でもそれからも夜中に自販機が動くことがよくあったわ。息子が言ってたけど昼間にも動いてたことがあったって。それから夜中になんだか声が聞こえるようなこともあって、あれは男の声だったわ。私公園にホームレスがいるんじゃないかって思ったの。やっぱり迷惑でしょう。だからある日交番に相談してみたの。

 次の日に巡査さんが来たわ。巡査さんも一回公園を通りすがったとき、誰もいない公園からスリラー歌ってる声が聞こえたことがあったそうなのよ。だからすぐ来てくれたのね。一番色々起きている、夜に来てもらったわ。

 私達懐中電灯を持って公園に行ったの。巡査さんは警棒も持ってたわ。それで何十分か一緒にくまなく公園を回ったんだけどトイレにもどこにも人はいなかったのよ。今日はいませんねまた来ましょうと巡査さんが言って、私達帰ろうとしたのよ。

 そうしたらね、またもう、見計らったように、ガコンって、自販機が動いたの。私達が公園にいるときに動いたのははじめてだったわ。私、もう不気味で怖くなって、巡査さんの横にぴったりくっついていたわ(その巡査さん、まだ二十代で、顔立ちも幼い所があってカワイイのよ)。

 そしたら巡査さんが突然ウワーッて悲鳴をあげたの。かと思ったらガックンと、ひざから倒れちゃったのよ! 巡査さんがひいひい言って、泣きそうになりながら、

「ひ……ひ……ヒザカックンされた!!」

 それであたりを見たけれど誰もいない。私と巡査さんしかいないもの。

 こんなんだから私達いそいで公園から逃げたわ。私が巡査さんを背負って走ったのよ(立場が逆よね)。あとで巡査さん、真っ青になって、「これは我々の手には負えません。凶悪すぎます」って逃げちゃったわ。

 手に負えないなんて言われても困っちゃうわよ。私当事者よ。怖いけど、このままに出来る訳ないじゃない。前にお友達から祈祷師さんを紹介されたことがあったの。その時は、何うさん臭いって思ったけど、警察に頼れないんだから仕方ないわ。まず祈祷師さんに電話口で相談したの。

「それはポルターガイスト現象でしょう。おまけに相当上位の霊かもしれません。ううん一度行ってみましょう。ですが最初から夜に行くのは危険です。奴は夜に力を増す。まず昼に下見です」
……

:arumikan:​​:konpota:

というなんか「洒落怖」っぽい冒頭とほのぼの疑似家族ムーブからは信じられない実験小説に転げていくWeb小説『これは物語ではない』はこちら。忘れた頃にこっそり連載中。

なぜなら、これは物語ではない。

https://libsy.net/disstory/prelude

20:10:30
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ホロスコープぜんぶ左だった

20:11:20
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市町村入力できるやつで読んだけど市町村合併で出生地の○○市がクソデカなのであてにならん

20:30:52
2024-03-06 20:06:10 HON.jp News Blogの投稿 honjp@mastodon-japan.net
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なんとなく使っていませんか? 括弧の種類と使い分け║モリサワ note編集部
note.morisawa.co.jp/n/n2a43f2c

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なんとなく使っていませんか? 括弧の種類と使い分け|モリサワ note編集部
20:31:45
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開けろ! “ ” 警察だ!

商業流通しているプロダクトにも
“ ”の使い方がメチャクチャな商品があり、見つけ次第都度写真に撮っている

21:24:44
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登場人物の「月くん」をlunaticのメタファーと取ることもできるし、日本近代純文学の月の文脈「月が綺麗ですね」につなげることもできるし(※言ってないことで有名)、作者の人そこまで考えてないよとも言える

21:38:35
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お気に入りの絵4枚上げるタグは選べなかった 海・水の表現、夜闇・楽器の表現で各4って感じ

23:03:10
2024-03-06 22:47:15 風野 湊🌿の投稿 feelingskyblue@misskey.design
ベンチに樹木が座っている。#小説冒頭_呼吸書房
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もちろんそんなはずはない。瞬きをして見つめれば、そこに見えるのは一人の青年だ。歩き疲れたように脱力し、膝に乗せたミネラルウォーターのボトルを手慰みに揺らしながら、正面の噴水を眺めている。ベンチはちょうど日向と木陰の狭間にあり、ボトルが角度を変える度、青年の指先に屈折光の淡い虹が散った。その手にチジュは見覚えがあった。三十年前、まだ子どもだった自分と一緒に遊んでくれたときのまま、皺一つない滑らかな手が、プラスチックの蓋を回し、口元まで水を運んだ。やはり彼は歳を取らないのだな、と感心する自分がやけに遠く感じられた。
 あまりに長く見つめすぎたのだろう、青年が怪訝そうに視線を返してきた。深緑の瞳。もう間違いない。それでも人違いかもしれないと、チジュは躊躇いがちに「ニイジェ?」と彼を呼んだ。とたん、これは面倒なことになったぞ、という感情を一切隠さずに青年は頬を歪めた。
「誰のことだか分かんないな」
 その表情もよく知っている。しらばっくれるときの顔だ。
「きみは変わらないね……久しぶり、ニイ。覚えてない? 僕らの家に居たときのこと」
 ニイジェは目を丸くして、チジュの顔をまじまじと見た。すぐに分からないのも当然だ。彼が知っている自分は十歳そこらの子どもであって、疲れた中年男性となった自分にはたいして面影も無いはずだった。
「驚いた。チジュかい?」
「覚えててくれて嬉しいよ」
「どうしてこんなところに」
 どうしてこんなところに、なんて、尋ねたいのはこちらの方だ。ニイジェは三十年前に忽然と姿を消し、それ以来ずっと音信不通だった。もう会えることはないだろうと思っていた。かつて彼が人の世界から立ち去った時には、戻ってくるまで六十七年掛かったのだ。それを思えば、三十年はずっと短い。
 ニイジェがベンチの片側に寄ったので、隣に座る。ひとまず自分から質問に答えようとして、チジュは言葉に詰まった。他人へのうまい説明を用意していなかった。話すにも長くなりそうで、掻い摘んだ現状をそのまま述べることにした。
「長年勤めた会社を辞めた。仕事に心底うんざりした。転職する気も起きなくて、やけくその四十代一人旅をしてる。主に遺跡巡り。そろそろ一ヶ月半」
 指折り数えあげると、ニイジェは口笛を吹いた。
「そりゃ良いや。そういや、この町も遺跡が有名だったね」
「そういうこと。ニイは?」
「伐採されそうになって逃げてきた」
「なるほど……なるほどじゃないな」
 打ちかけた相槌を引っ込める。よほど神妙な顔をしてしまったのか、目を合わせたとたんにニイジェは笑いだした。呆れと優しさの混じった、人間らしい、ありふれた若者の笑い声だった。
 彼は人間だ。そして同時に、彼は人間ではない。
 ニイジェは樹木でもある。

」冒頭より
https://kokyushobo.com/book/trees_light/vacation/

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樹木のバカンス|試し読み|呼吸書房
23:05:03
2024-03-06 22:53:07 風野 湊🌿の投稿 feelingskyblue@misskey.design
廊下の隅っこに、クラスメイトの生き霊がいた。#小説冒頭_呼吸書房
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半透明の身体、曖昧な輪郭線。私とおなじ制服の、紺色であるはずのプリーツスカートは水面のように透きとおり、朝の日差しを反射していた。きれいだった。思わず見惚れてしまうほどに。
 私は彼女と数えるほどにしか喋ったことがなかった。名前はかろうじて分かる、たしか、柳木さん。教室を覗いてみれば、柳木さん本人の姿が見えた。机に腰掛け、足をぶらぶらさせながら、楽しげに談笑している。顔色も良好、廊下に生き霊を蹲らせているとはとても思えない。
『……春川?』
 さすがに見つめすぎた。生き霊の柳木さんに気づかれてしまった。私は無表情を装って彼女の隣に座りこみ、声をひそめた。
「柳木さん。どうしちゃったの、あなたの身体、教室にいるけど。呼んでくる?」
 おそらく彼女の姿は私にしか見えていない。虚空に向かって独白するヤバいクラスメイト、と通りすがりの誰かに思われないよう、私は携帯を耳元に添え、通話中のふりをした。柳木さんは透明な袖でまぶたを擦った。
『あんた、霊感とかあったんだね』
「まあ、多少? 生き霊を見たのは今日が初めてだけど。あんまり長く身体から抜けてると良くないんじゃない」
『生き霊?』
 柳木さんは口元を歪めた。ひどく愚かな答えを聞いたときの先生みたいに。
『生き霊じゃない。私は死んでる。あんたが見てるのは幽霊だよ』
 私は押し黙り、困惑のままに教室を指差した。半透明じゃない方の柳木さんが、なにか友人のジョークがツボにハマったらしく、仰け反りながら大笑いしていた。端的に言ってとても元気だ。つまり、
「ドッペルゲンガー? 入れ替わり? 身体を取られちゃった? あっちの柳木さんは、ほんとは柳木さんじゃなかったりする?」
『違うよばか。あれも私だよ。……違う、あれは“私だったもの”……そうじゃない……あれが私であって、ここにいる私はもう“私だったもの”』
 柳木さんは混乱しているようだった。両手に顔を埋め、震えながら息を吐きだす。
『私は、今朝、私を殺したの。ある願い、ある感情、心の一角、既に長く抑圧していた私自身を、とうとう葬ることに成功した。その願いも感情も、永遠に失われ、もう二度と蘇ることはない。私に殺された私の半分、それが、今ここにいる幽霊の私。あっちにいるのは生き延びた方の私であって、もう私じゃない。わかるかな……』

より「死よりも遥かに柔く」
https://kokyushobo.com/novel/haruka/

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死よりも遥かに柔く|呼吸書房
23:05:23
2024-03-05 20:41:59 山川夜高🏖️通販開始の投稿 mtn_river@misskey.design
【閲覧注意】夜の公園でめちゃくちゃ怖い目に遭った話 #小説 (冒頭)
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:null:

 ええ本当に不気味な話なんです。本当に怖いわ。私今すぐにでもこの家を売払ってしまいたいもの。いやね家が怖いんじゃないわ。家の隣の公園。ここね、絶対に、何・か・い・る・の・よ……そう、初めておかしいと思ったのは、ええと、一月の終わり頃だったかしら。

 私ずうっとあの公園からは嫌な感じがしてたわ。だってあそこ、夜も街灯一個しかなくて、暗いし、周りの木がうっそうとしていて、本当にジメッとした雰囲気なの。公衆トイレはあるんだけどそこも暗いしゴミやラクガキばかりで、自動販売機を利用する人もいないし、昼でも人影がなくって、本当に悪い若い人達のたまり場になっちゃいそうでね、とにかく嫌だったのよ。

 でね、夜中に悪い事件がないように、私家の窓から時々公園を見張ってたの。まあ不良とかはいなかったわ、今時の子はやっぱり駅前の方にたむろしているのかしら。

 ある日夜遅くに私が見てたら、ガコン、って音がしたの。誰か自動販売機で何か買ったんだわって思ったわ。だから一応自販機の方を見たのよ。そしたら――誰もいなかったのよ!

 そしたらピピピピピピーって鳴ってね。自販機のルーレットが回って、もう一本当たっていたの。めずわしいわ。私一回も当たったこと無いもの。それでも自販機の周りに人はいなくてね。私、誤作動かしらって思ったの。

 でもそれからも夜中に自販機が動くことがよくあったわ。息子が言ってたけど昼間にも動いてたことがあったって。それから夜中になんだか声が聞こえるようなこともあって、あれは男の声だったわ。私公園にホームレスがいるんじゃないかって思ったの。やっぱり迷惑でしょう。だからある日交番に相談してみたの。

 次の日に巡査さんが来たわ。巡査さんも一回公園を通りすがったとき、誰もいない公園からスリラー歌ってる声が聞こえたことがあったそうなのよ。だからすぐ来てくれたのね。一番色々起きている、夜に来てもらったわ。

 私達懐中電灯を持って公園に行ったの。巡査さんは警棒も持ってたわ。それで何十分か一緒にくまなく公園を回ったんだけどトイレにもどこにも人はいなかったのよ。今日はいませんねまた来ましょうと巡査さんが言って、私達帰ろうとしたのよ。

 そうしたらね、またもう、見計らったように、ガコンって、自販機が動いたの。私達が公園にいるときに動いたのははじめてだったわ。私、もう不気味で怖くなって、巡査さんの横にぴったりくっついていたわ(その巡査さん、まだ二十代で、顔立ちも幼い所があってカワイイのよ)。

 そしたら巡査さんが突然ウワーッて悲鳴をあげたの。かと思ったらガックンと、ひざから倒れちゃったのよ! 巡査さんがひいひい言って、泣きそうになりながら、

「ひ……ひ……ヒザカックンされた!!」

 それであたりを見たけれど誰もいない。私と巡査さんしかいないもの。

 こんなんだから私達いそいで公園から逃げたわ。私が巡査さんを背負って走ったのよ(立場が逆よね)。あとで巡査さん、真っ青になって、「これは我々の手には負えません。凶悪すぎます」って逃げちゃったわ。

 手に負えないなんて言われても困っちゃうわよ。私当事者よ。怖いけど、このままに出来る訳ないじゃない。前にお友達から祈祷師さんを紹介されたことがあったの。その時は、何うさん臭いって思ったけど、警察に頼れないんだから仕方ないわ。まず祈祷師さんに電話口で相談したの。

「それはポルターガイスト現象でしょう。おまけに相当上位の霊かもしれません。ううん一度行ってみましょう。ですが最初から夜に行くのは危険です。奴は夜に力を増す。まず昼に下見です」
……

:arumikan:​​:konpota:

というなんか「洒落怖」っぽい冒頭とほのぼの疑似家族ムーブからは信じられない実験小説に転げていくWeb小説『これは物語ではない』はこちら。忘れた頃にこっそり連載中。

なぜなら、これは物語ではない。

https://libsy.net/disstory/prelude

23:12:47
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『これは物語ではない』は『眠りに着くまで』がめちゃくちゃおもしろいので読んでほしいですがたぶん発表している小説のなかで一番難解で、これを楽しく読める人は世界中の文学作品ぜんぶ楽しく読める才能があるからがんばって!
https://libsy.net/disstory

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これは物語ではない
23:14:03
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素人が小説でやっちゃいけないこと(一人称の混濁、一人称視点と三人称視点の混合)を楽しくたくさん入れた 楽しかったな

23:17:27
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やっぱり『これは物語ではない』で「女優」の物語を読んでから『Cipher』(「俳優」の物語)を読んでくれよと思うけど、
しっとり・クール・静か・ミステリアスな『Cipher』の読了直後に『これは物語ではない』を読むと冒頭の
:konpota:​​:god:​のくだりがあまりにバカすぎて憤死する恐れがある