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『罪と罰』の朗読会が進んで、やっとスヴィドリガイロフに言及できるようになった。この日を待ちわびていた。

が、すごいよね、としか言いようがないことにあらためて気付くだけで、言える事はあまり無いのであった。ドストエフスキーは、よくもまあ、あんな人間を描いたものだと舌を巻く。

最後の頼みの綱であったドゥーニャに振られて全てを失ったスヴィドリガイロフが死に場所を求めて街をさまようシーンがあるでしょう？私はあそこが好きです。絶望して、しかし、悪しき憑物からも解放された彼の目は、街と人々の営みを慈しむように眺めるんだよね。ドストエフスキーはこの極悪人に同情しろと言い、そして私は同情してしまうのである。

『罪と罰』。ラスコーリニコフやスヴィドリガイロフの罪は明白なのだが、彼らが罪の対価として受け取ったものは、特にラスコーリニコフの場合は、罰であるよりも恩寵であると見える。それに対して、マルメラードフの後妻の悲惨な最期はどうだろう。彼女にあれだけの罰を受ける罪があったのだろうかと思う。

そういう不公平さは、世にある限り逃れられないものだと認識はするが、納得は出来ない。

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『三体』の物語は「このメッセージに応答してはいけない」という異世界との不可解なファースト・コンタクトから始って、空間と時間を徐々に拡げて、ついには宇宙全体の再生の危機にまで行き着いてしまった。

いやー、すごいなー、面白かったなーという間抜けな言葉しか出ないのだが、ちょっとだけ小ネタに反応してみる。

・人海戦術論理回路集積コンピュータ ... 旗を挙げそこなった人間はユニットごと処刑して交換。さすが中国文明が生んだ SF 作家と思った。

・最後の最後は石に刻んだ文字が頼り ... だよね。極小の物理要素に依存するデジタル・データなんて、よほど厳重に多重化しないと信頼性低いもんな。

・智子 ... 映像化するなら、俳優は誰が良いかな？

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