#読書
柳瀬博一『カワセミ都市トーキョー 「幻の鳥」はなぜ高級住宅街で暮らすのか』(平凡社新書,2024年1月)
私が住んでいる地域ではちょくちょくカワセミの目撃情報があり、私はずっと、それはここがタヌキやハクビシンもいる都下の郊外だからだと思っていたのですが、実は都心にも、いや都心にこそ現代のカワセミたちは好んで住み着いているというのです。
本書は、コロナ禍で自宅にいることが増え地元に改めて目を向ける機会を得た東京都内在住の著者が、意外と街なかにカワセミがいる!? ということに気付き、意識していくつかのポイントで観察と考察を重ねていった記録です。
以前から残っている自然、都市計画のなかで新たに作られた自然、定着した外来種、そしてそんな環境に戻ってきて適応したカワセミたちが暮らしやすい地形のある場所が、人間にとっても快適で人里として発展しやすい場所と重なること……などがデータを挙げて分析されていく。
〔つづく〕