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赤染晶子『じゃむパンの日』(palmbooks,2022年12月)

2017年に逝去した芥川賞作家の単行本未収録だったエッセイをまとめたもの。

最初の数編は、読みながら思わず「これ、エッセイ集……だよね?」って確認しちゃった。短編小説のような端正な作り込まれ感があって。

畳みかけてくるリズムが心地よい話、展開に意表を衝かれて笑っちゃう話、風が通って心が軽くなる気がするような話、湿っぽくはないんだけどなんだか浸み込んでくる話などなど。同じ体験をしても、彼女しかこうは書かないだろうという文章ばかり。

最後に岸本佐知子さんとの交換日記が収録されており、ものすごく納得の人選だと思いました。