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SNSで行方不明者の情報を求める際、第三者には発言者がストーカー等でないという確証を持てないので、投稿内に書く連絡先は警察にすべきというのは前々から言われていますよね。

ただ以前、とある著名なかたのご家族が消息を絶ったとき、不確かな話がいっぱい警察に届くと捜査が滞るのでSNSに書くなら連絡先は自分自身にするように、と当の警察から指示を受けたとおっしゃっていた記憶があり、それもそうなので結局その都度、相談することになるのかな、とも思う。

上記の場合は著名人アカウントで客観的に身元はたしかだし、ファンからの情報提供が殺到する可能性があったので、警察側はことさらにそういう判断だったのかもしれないですしね。

そもそも、このケースは著名人だから反応が数多くあったけど、私とかがネット上で見知らぬ人たちにお願いをしても、そうそう拡散されて有益情報が集まるとは思えず、むしろ悪意の人に捕捉されて心無い引っ掻き回され方をするリスクのほうが怖いと感じたりも。

でも実際になんかあったら私だって、当事者として藁をもつかむ気持ちで、そのリスク込みでなんでもやる! となるのかもしれない。

特に結論はない。

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多崎礼『レーエンデ国物語 喝采か沈黙か』(講談社,2023年10月)

シリーズ第3作。約4ヶ月で3冊出てるのすごい。

今回「序章」で紹介される歴史上の偉人は、後世に大きな影響を及ぼす戯曲の作者。しかし物語の本編は、その劇作家の「双子の弟」である場末の劇場の専属俳優視点で進む。同じ条件で生まれ育ったのに自分にはない才能を持つ奔放な兄への、反発と嫉妬、そして憧憬と執着の吐露が、心に突き刺さる。

時代は前作から100年後。レーエンデ人が下級市民として虐げられている一方で、蒸気機関が発明され華やかな文化が生まれ、様変わりした世相。

前作主人公の片割れ、かつて英雄であった者の存在は隠蔽され、名前や性別すらまともに伝わっていない。その英雄を戯曲の題材にしようと思い定めた兄、調査の旅に世話係として同行する弟。

読んでるこちらは、彼らが求める「史実」を第2巻ですでに知っているので、いつ解明されるんだろうというもどかしさや、あれから100年で各地はこんなふうに、という感慨がある。そして、双子のあいだの葛藤と情愛、ふたりが迎えた結末に揺さぶられる。

巻末には、あと2冊の続刊予告が。

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新潮文庫の豆本カプセルトイをゲットした人の投稿をふと思い出して急に羨ましくなり、探しに行ったのですが、見つからなかったので(先月発売の商品なのでもうないのかも)、代わりに『地球の歩き方』のガシャを回してきました。

「台湾」が当たったよ。いつか行ってみたいところだねえ。中のページもちゃんとフルカラー印刷してあるけど、虫メガネがないと読めないな。縦5cmくらいです。写真の眼鏡は、サイズ比較のために置きました。

 
※ちなみに、バンダイのカプセルトイは「ガシャ」で、タカラトミーが「ガチャ」……毎回迷ってググるので、ついでにメモ。

新潮文庫の豆ガシャ本
gashapon.jp/products/detail.ph

地球の歩き方の豆ガシャ本
gashapon.jp/products/detail.ph

Web site image
豆ガシャ本「地球の歩き方」第四弾
眼鏡と『地球の歩き方 台湾 2023~24』の豆本。豆本のサイズはだいたい、眼鏡のレンズひとつ(片方)と同じくらい。
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豆本を開いたページの一部。「見どころ満載の台湾の首都 台北」という見出しが読める。
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さっき旧Twitterに出した写真も貼っちゃうぜ。

これは私がずっとハマっている、台湾と日本の合作人形劇(台湾の伝統文化で、布袋劇という)『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』のキャラクター「浪巫謠」さんのねんどろいどです。よろしくお願いします。
thunderboltfantasy.com/

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『Thunderbolt Fantasy Project(サンファン)』総合公式サイト
立てて置かれた『地球の歩き方 台湾』の豆本の隣に立ち、豆本に両手を向ける、「浪巫謠」のねんどろいど。
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古賀及子『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』(素粒社,2023年2月)

日頃から楽しい記事を数多く公開してくださっているウェブサイト「デイリーポータルZ」所属の著者による、2018年~2022年の日記セレクション。

母・息子・娘の親子3人暮らしが、安定したリズムで綴られていく。コロナ禍のイレギュラー対応で社会が激変していた時期がすっぽり入っているのだけれど、これまで読んだこの時期のノンフィクションでは、いちばん悲壮感がないかもしれない。もちろん、きつかったことはわざわざ書いていないというのもあるだろう。でもみんな適度にガス抜きして、無理せず自制的に機嫌よく過ごしている。

それぞれが、仕事や学校その他で忙しかったりそうでもなかったりしながら、ちょっとした愉快なことや、独自の視点で語れることを見つけては家族で共有し、ちゃんと面白がりあえている感じが、とても素敵。

根底で互いにリスペクトがある親子関係や、生活のなかから記述すべき対象をピックアップする古賀さんの着眼の細やかさ、そこからさらに連想が働いたときの思考の先に出てきた表現を逃さずキャッチしておく機敏さに、すごく憧れる。