論文毎日読むぞ262日目。占領下日本の性政策について。米軍兵のための「慰安所」についてや、売春禁止運動をめぐる活動家・国会議員と当事者たちのすれ違い、「兵士には性的慰安が必要」という男性神話が女性にも(そして現代にも)共有されていることなど。とても興味深く読んだ。
三枝和子「その冬の死」を思い出した。あれも「パンパン」を扱った小説だった。筆者は女性史研究が「慰安婦」の問題について立ち遅れている感が否めないことを嘆いているけれど、案外小説のほうがそういったことを扱いやすいのかな、なんて思った。
「その冬の死」の単行本が出たのは1989年、この論文は2014年。2024年現在、女性史研究が「慰安婦」の問題をどう扱えるようになったかはわからないけど、フィクションじゃないと扱いづらいものってのも、この世の中にはまあまああるわよね。