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Pasquali, G., 'Ricordo di Michele Barbi', Pagine stravaganti di un filologo II, Firenze, Le Lettere(1994): 434-451.
(= Rend. Accademia d'Italia, 1942: 67-83).

20世紀イタリアの文献学界において重要な位置を占めるミケーレ・バルビ(1867-1941)についての,同じく20世紀イタリアの古典文献学者ジョルジョ・パスクァーリ(1885-1952)による回顧録.バルビの生涯とその仕事,また人柄についての記述がある.

特に興味を引くのは,Enea Piccolominiから多くを学んだと自認していたなどの古典文献学との交流である.
パスクァーリは自身の伝承研究,varianti d'autoreの問題についてバルビが評価し採り入れてくれたことを誇らしく語りつつ,こうした着想の先駆けとしてバルビの『デカメロン』研究があったことを明らかにしている.両者の間には相互に影響し合う関係があったと考えることができるだろう.