Salvete, vocor Niceratus!
【今回のおおまかな経緯】
・最初はUbuntuで立てようとしたものの躓く箇所が多くて,CentOS7で再チャレンジ.
・ファイアウォールの設定をiptablesではなくfirewalldで行わなくてはいけないところにハマって結構時間を使ってしまった…
他は,DKIM設定なんかで手間取ったりしたので,ややこしかったのはどちらかというと周辺部分だったかもしれない,nginxの設定ファイルを直して順次再起動した後はあっけなくホーム画面が出た(実際3回目のチャレンジではOSインストールから最後まで4時間くらいでいけた)
スペック的にはさくらのVPSで安いのを借りて使っている格好なので,おひとりさまインスタンスとして利用しながら諸々勉強していこう.
Balduinoの文献を参照できたので,更新を保留していたペトラルカ『カンツォニエーレ』32番をアップしました.
http://www.stromateis.info/interpr/Petr/canz_032.html
SINGLE_USER_MODEをtrueにしたあと再起動を忘れてたので再起動した.これでトップページへのアクセスは全部ncrt035のアカウントへ回されるはず.
自分のドメインでアカウントを持って,そのアカウントで異なるインスタンスにログインできると,投稿の公開範囲をインスタンス単位で管理できるので,ひとりで色んな話題についてトゥートする人にすごく便利になる気がする.
ペトラルカにとってのラウラは自分の「心の鍵」を握る存在だったわけだけれども,鍵があるということは心が部屋のようなイメージで捉えられているわけで,このイメージがどのくらいまで遡れるのかというようなことをこの前訊かれた.
すぐによい例が思いつかなかったけれども,ペトラルカが知っていたに違いないものとしては,アウグスティーヌス『告白』第8巻で回心に至る少し前,著者の苦悩が《心という我が部屋(in nostro cubiculo)における,我が内なる館(interioris domus meae)の闘い》(Aug. Conf. VIII viii 19)と表現されているところが挙げられそう.
よく考えたらおひとりさまインスタンスの場合,メール関連の設定は省略できたけど,せっかくSparkPostを使えてるので通知を飛ばすようにしておいた.ちゃんと機能しているようだ.
たくさんのユーザーがいるインスタンスだと逐一メールでTLの動向を通知してたらサーバに負荷がかかり過ぎてしまうかな.
不安しかないのでとりあえず前泊する方向で宿泊先を押さえた(最悪まあ私費でもいいや…).
市川・新小岩周辺で何か見るべきものはあるのだろうか.ちょっと探してみよう.
https://twitter.com/ncrt035/status/866524117796741120
劇を発表するのに「作者名・作品名」の順か,「作品名・作者名」の順かに違いがあって,はじめて作品を発表する人は《嫉妬のために書かれなくならないように》(ne aliqua invidia ab scribendo deterreri possent)作品名の方を先にする一方,たくさん発表して詩人としての権威を獲得している人は,《自分の名前によって劇に注意を向けてもらうように》(ut per ipsorum vocabula fabulis attentio adquireretur)詩人の名前の方を先にしたのだとか.
Donati commentum, Excerpta de comoedia VIII 1 (ed. P. Wessner, vol. 1, p. 28)
アイスキュロスのM写本(Laur. 32. 9)についている『アイスキュロス伝』(188v - 189r)を読んでいたら,数字を表すのに文字の上に棒を引っ張るやり方が取られているのを発見しました.《彼は63歳まで生き,その間に70の劇を作って……》の箇所. https://gnosia.info/media/h9-nBOWteRva21e5l1Q
※pawoo.netの方で公開制限をかけて投稿してしまったのでこちらに再掲.
D. Butterfield, The Early Textual History of Lucretius' De Rerum Natura (Cambridge, 2013)
ルクレーティウスの主要写本はO, Q, 断片的に伝わるGVU(著者はSという記号でこれらをまとめることを提案する)という9世紀頃のものと,ポッジョ・ブラッチョリーニによって発見された写本から発するイタリア写本群(Itali)に分けられ,これらのうちQとSは共通の本(ψ)から由来すると考えられるが,イタリア写本群とその他の写本との関係について色々議論がおこなわれてきた.
著者を含め最近の研究者は概ねイタリア写本群がOから派生したと考えていて,その場合これらのイタリア写本群はルクレーティウスのテクストを再建する上で独立した権威は持たないことになる……これはなかなか大きな進展ではないか! と若干テンションが上がりました.
ペトラルカ『親近書簡集』の羅仏対訳,シリーズの最終巻で20~24巻を収める.V. Rossi校訂ということは国定版のテキストに基づいている.イントロダクションをU. Dotti先生が書いていて,この人も羅伊対訳を出しているけどもなかなか手に入らない……
こんなものが2015年に出ていたのはちゃんと把握できてなかったよ.
https://www.lesbelleslettres.com/livre/1773-lettres-familieres-tome-vi-livres-xx-xxiv-rerum-familiarium-libri-xx-xxiv
『カンツォニエーレ』38番を更新した.30番台がだいぶ埋まってきたぞ.
http://www.stromateis.info/interpr/Petr/canz_038.html
Giorgio Inglese(ダンテ『神曲』の新しいテクスト・註釈を出している人)の『どのように批評版を読むか』(Come si legge un'edizione critica. Elementi di filologia italiana)という本,去年新版が出ていた模様.
面白そうなのでこれも買えばよかった.また今度にしよ.
https://www.amazon.it/unedizione-critica-Elementi-filologia-italiana/dp/8843083139/