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馬伯庸『両京十五日 Ⅰ 凶兆』(訳:齊藤正高、泊功/早川書房,2024年2月/原書:马伯庸《两京十五日》2020年)

読みはじめる前はなんか漢字ばっかりの難しげな書名、という印象でしたが、物語の骨子が分かると、すごいストレートなタイトルですな! ってなりました。

暗殺計画をたまたま逃れた明の皇太子が、たまたま出会った癖の強い3名とともに、敵の攻撃をかいくぐり、首都への帰還を目指す。

私は馬伯庸を「SF作家」としか認識してなかったため、途中まで「突然タイムリープが始まったりとかするのでは?」と身構えてました。でもハッと気付いて表紙を確認したら、これ早川書房の新書版は新書版でも、新☆ハヤカワ・SF・シリーズではなく、ポケミスだったわ。そっかー。

そんな身構え方をやめても、緊迫感は減らないのですが。

なりゆきでチームになったバラバラの個性を持つ4人が、だんだん仲間意識を持つようになり、それぞれ自分にできることを目一杯やってくのが熱い。

とにかく一難去ってまた一難が続くまま次巻へ。SFでないなら、史実で皇帝になってる人が即位できずに死んだりはせんだろうと信じてる!