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日比野コレコ『モモ100%』(河出書房新社,2023年10月)

主人公の少女モモの、中学から大学入学後までの時期の恋愛模様の物語。彼女はここで描かれる恋愛に、自覚の上でものすごくのめり込んでいる。けれども一方でその恋はすごくとんがっていて、とても孤高で、常に世界と対峙して自分と相手の輪郭の有無と在処を意識しているような厳しい理屈の上になりたつ感情なのではないか。

とにかく言葉の選び方、つなげ方が新鮮。瞬間的な違和感を押し流すほどのハッとするような勢いのある表現がたたみかけるように連鎖してイメージを叩き込んでくるこの文体の、こちらへのアタックの強さが面白くて、最後まで引っ張っていかれたという感じ。

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最後までガザの病院に残った医師が死亡 世界各地から称賛の声「英雄として亡くなった」
times.abema.tv/articles/-/1010

この医師はもちろん立派なかたなんだけど、真っ先に目に入る記事の見出しに「称賛」の語があることに、なんか違和感を抱いている。「称賛」というのは、そうあるべき、あらまほしき状態に対して使われる言葉な気がして。

このニュースの場合、そもそも世が世なら死ななくてよかった人じゃないですか。このかたや、逃げることのできない怪我人や病人や子供や赤ちゃんが死ぬの自体、あってはならなかったことじゃないですか。記事を読んでも、賞賛なんて悔しさや悲しさや怒りの気持ちで塗りつぶされる感じがしている。空爆は天災とは違う。

 
 
tokyo-np.co.jp/article/294313
“イスラエル軍のコンリクス報道官は5日までに、米CNNテレビに対し、パレスチナ自治区ガザへの攻撃による犠牲者の約3分の2が民間人だと認めながらも「市街戦としては極めて良い割合だ」と肯定した。”

ガザへの攻撃が始まってから、ウクライナとロシアの戦争が始まったときとはまた違う、しんどさをずっと感じている。

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最後までガザの病院に残った医師が死亡 世界各地から称賛の声「英雄として亡くなった」 | 国際 | ABEMA TIMES | アベマタイムズ
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ガザ民間人犠牲を肯定 イスラエル、国連は嫌悪感:東京新聞 TOKYO Web
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【引き出しの厄介者だった2000年代のデジカメ…韓国若者世代でブーム】
afpbb.com/articles/-/3494751

“「すべてがデジタル化された世の中で生きてきたMZ世代にアナログが与える独特の魅力がある。経験したことのない時代への郷愁に引かれているのだろう」とみている。”

 
待って待って待って。「アナログが与える独特の魅力」とは? デジカメはデジカメじゃない? 画素数が少なかったりAIによる補正とかが入らなかったりするだけで、デジカメというくらいだから一応はデジタルじゃない? アナクロかもしれなけどアナログではなくない?

まあ、日本でも一時期レンズ付きフィルム(「写ルンです」とか)がレトロでおしゃれという風潮があったりしたし。さらに時代が進んでデジカメでもレトロ感が出るようになったということだよね。

この記事で取り上げられているような2000年代の旧式デジカメが現役だった頃だって、それよりさらにちゃっちいデジタルトイカメラのちゃっちい写真が可愛くておしゃれ、みたいなのが、ちょっとあったと記憶している。

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引き出しの厄介者だった2000年代のデジカメ…韓国若者世代でブーム