23:58:34
📚 石城謙吉『イワナの謎を追う』
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なんで赤斑点のやつと白斑点のやつがいるのか、なんで海に降りるやつと川に留まるやつがいるのか、なんで食べるものや住む場所が違うのか、とかが次々疑問になっては解かれていく。すごい。
文章が上手すぎて、イワナもヤマメも鮎もとくにわからん自分でもなぜか一気に読めてしまった。(鮎は写真見たら全然違った)

川魚リスペクトがすごい。
>イワナとヤマメ。山間の渓流に妍を競って僚々あいゆずらぬこの両者は、日本の渓流魚の双璧をなすものといっていい。ともにサケ科に属するこの二つの魚は、いずれ劣らぬ精悍な姿態と果敢な行動力の持ち主であるとともに、さらに、これもサケ科魚類ならではの味の良さが加わるとあって、古くから世の釣り人たちの心をかき乱し続けてきたのであった。

イワナに直接関係ないが、自然描写もいい。
>このあたりから、窓外の様子がなんとなく変わってきているのに人は気がつくに違いない。ついさっきまで十勝平野の空で明るく輝いていた太陽は、なぜかよそよそしい弱い光のものになり、どこか湿った空気が車内にはいりこんでくる。そして、見れば豆畑やビート畑はいつか姿を消し、かわって窓外には、淋しげな原野がひろびろと広がりはじめている。根釧原野にはいったのだ。

>根釧原野の秋の空には、群れをなして浮かぶ赤トンボの姿はない。ただ、時折り青空をよぎる鳥の影があるばかりである。

>夏の葉洩れ日が伊茶仁川の水面をまだらに染める。その葉洩れ日をゆらめかせて、美しい水が豊かに流れてゆく。流れる水の中には緑のバイカモがふさをなしてゆれ、川底の砂礫を絶え間なく掃き清めているかのようだ。そして、魚が泳いでいる。アメマス、オショロコマ、そしてヤマメ。どれも川に暮すサケ科の魚たちである。
>なんと美しい、心躍る情景だろう。晴れた日の夏の伊茶仁川を訪れるたびに、私はきまってシューベルトのピアノ五重奏曲「鱒」の旋律を想い浮かべる。そして、ウィーンの都の近くにもきっとこれとそっくりの川があるのに違いない、と思う。そうでもなければ、あの名曲が、どうしてこれほどまでにこの川にふさわしいだろうか──。

途中に種の分類の話があったが、分類学者には「分けたがり」と「まとめたがり」がいるらしい。

『溪流棲昆虫の生態』という論文の中で、川の「瀬」「淵」形態が定義されていて当時から研究者の参考になっていたそうだが、著者は太平洋戦争で戦死されたらしい。悲しい。
reference.morisita.or.jp/kani.

このイワナ本を後輩に言ってみたら、父がイワナ釣りなので聞いてみます!と返ってきて、数分後に違うイワナ本まで紹介された。
イワナ、1ジャンル築かれているのか?

京都大学名誉教授 森下正明研究記念財団 資料室 >> 可児藤吉のプロフィール
23:16:36
2024-01-16 22:34:39 アーリーアクセス版:haluuma_heart:の投稿 uma@mi.halu.ink
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23:15:39
📚 ジョージ・チャム+ダニエル・ホワイトソン『僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない』
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面白かった!子どもにしゃべっているような文章なのに、宇宙の端の先には何があるのか問題とかに対して現時点で一番くわしく説明してくれている感じだった。

宇宙は今も膨張しつづけているので、遠くの星の光は届かなくなっていく、何十何百億年か後の夜空は真っ暗になってしまうかもしれないという話がすごい印象に残った。見えなければ外に星なるものがあるとは考えつかないかもだよなあ。

12種類の物質粒子が見つかっているが、そのうち3種類さえあればなんでも作れてしまい、あとの9種類はなんのためにあるのかまだわからないという話も面白かった。昔使われていた、違う宇宙なら使われていた、違う次元で使われている、まだ使っていないのかもしれない、働かないアリみたいなやつかもしれない。

重力はめちゃくちゃ弱いという説明。わかりやすい。
>重力がどのくらい弱いのか、それを実感するには、ちょっとした実験でほかの力と対抗させてみればいい。
>キッチンによくある磁石を持ってきて、小さい鉄のくぎを持ち上げるのだ。くぎは地球全体の重力で下に引っ張られているのに、ちっぽけな磁石の磁力だけで落ちない。小さな磁石が地球全体に勝ってしまうのは、磁力が重力よりもずっと強いからなのだ。

空間は曲がったりゆがんだり膨らんだりするので「なにもない空っぽの場所」ではない。かといって物質どうしの関係性でもない。曲がったりゆがんだり膨らんだりするので。

超高速エネルギー粒子が1日100万個は地球にぶつかってくるが、どこから来ているかわからないらしい。たまに超デカエネルギーのやつが来るが、1平方kmあたり1000年に1回しか来ないので観測所でとらえられるとも限らないらしい。
あちこちにあるスマホで宇宙線をつかまえようアイデアがあったとか。
github.com/crayfis (閑散としている…)

粒子と反粒子はぶつかると爆発する。反○○は次々見つかっていて、反陽子と反電子を組み合せて反水素は作れた(20分は保てた)そう。反水も理論上は作れるらしい。人間は反人間ではないため飲んだら爆発する。