論文毎日読むぞ219日目。『男の絆の比較文化史』。一昨日読んだとき「坊っちゃん」の主人公は選民思想を持ち、合理的判断を廃した暴力的な人物にもかかわらず、読者は惹かれてしまうのはなぜかという問があったけど、それに対する答えの1つが示されていた。
赤シャツが婚約者のうらなり君からマドンナを「奪った」とされているのがその1つだということらしい。とはいえ、マドンナが語ることはなく、主人公の語りからしか情報を得られないので真実はわからないのだけど。
結局、漱石の巧妙な語りの方法に読者が絡め取られてしまっている、ということなんだろうな。