論文毎日読むぞ205日目。今日はかねてから本をゆっくり読みたいと思っていたので、昨日の本の続きを読み終えた。溝口雄三『公私』という本。
日中の公私の概念の違いを比較説明しつつ、射程を現代社会にまで伸ばした本。短くまとまっていて、面白いし読みやすかった。ただし、本自体が古いので現代社会を論じたところは今とは状況が違うな、という部分も結構ある。
ぼくが関心があるのは、古代日中の公私概念。
長くなるので日本の公私(おほやけ・わたくし)のことだけ簡単にまとめとく。
日本では私は公に従属するもので、私的な都合で公の世界の関係に変更を迫ることは決して許されていなかった。一方で、私的領域は公的領域に従っている限り存在が保証され、決して干渉されることはなかった。公にとっては都合の悪い私事もあって当然、黙認、という感じ。
ちょっとまだ飲み込めない部分もあるけど、公私というのは文学研究でも話題になることがよくある。もう少し咀嚼したいわね。