ドストエフスキー『未成年』メモ4
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読み終った。面白かった。
『悪霊』はもういいけれど、この『未成年』はもう一度ゆっくり読み返してみたいと思う。
『悪霊』をディスりすぎかな。
この小説で面白いと思ったのは、ドストエフスキーが造形する登場人物の典型性がこれまでの小説に比べてずいぶん穏当であるところです。特に主要な人物は多層的な性格を持つ人として描かれている。逆に言うと、典型性の純度が低いのだけれど、その分、特定の時代と社会と境遇に制約されながら生きている人の姿をより正確に描いているように見えます。
私生児としてのコンプレックスを抱えて、激しやすく、気位が高く、そして早とちりでお馬鹿で頭の良い未成熟な未成年が語るという形式なので、ドストエフスキーは好きなだけ大袈裟に冗長な言葉を書き連ねることが出来て気持ちよさそう。あんた、もうちょっと言葉を節約できるんちゃうん?と思う。
でも面白かったから許す。
物語の構造はわりとシンプルで分りやすいと思います。