12:58:45 @ncrt035@gnosia.info
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ウェルギリウス『農耕詩』4巻173行末のAetnaが一部写本でantrumになっているのは固有名詞の一般名詞化現象ではあるが,ほとんど同じ詩行が『アエネーイス』(8巻449-453行)にあることを念頭に置いておく必要がある.そちらではantrumで伝わっている.
一応ベルン写本(Bernensis 172 (e-codices.unifr.ch/en/bbb/0172) fol. 63v)では本文が&hna (= ethna(aethna))で欄外の古註ではAethna] monsと説明がしてある.

e-codices – Virtual Manuscript Library of Switzerland
19:58:05 @ncrt035@gnosia.info
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研究者番号なくてもresearchmap登録できるんだね

20:06:47 @ncrt035@gnosia.info
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Martellotti, G., "Stella difforme", in AA. VV., Tra latino e volgare. Per Carlo Dionisotti, Padova, Antenore 1974: 569-584.

ペトラルカ『カンツォニエーレ』186, 187番を取り上げる.
これらのソネットの創作年代をWilkinsが1341-1342年を推定するのに対して,両詩の内容(とりわけエンニウスの描かれ方)が『アフリカ』や『著名士列伝』中の「スキーピオーの生涯」との強いつながりを根拠として1352年以後の作,あるいはもっと言うと決定稿(Vat. lat. 3195)への書き写しが行われた1366年から遠からぬタイミングの作であることを論じる.

21:04:35 @ncrt035@gnosia.info
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Dickey, Eleanor. 'How to say « please » in post-Classical Latin : Fronto and the importance of archaism', Journal of Latin Linguistics 14 (2015) : 17-31.

古典期以後のラテン語でのplease相当表現に関する論文.フロントー,小プリーニウス,ポンペイイーの落書きなどに特に焦点が当てられているらしい.

21:07:35 @ncrt035@gnosia.info
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Darab, Ágnes. - « natura », « ars » , « historia » : anecdotic history of art in Pliny the Elder’s « Naturalis Historia ». 1, « natura » and « ars » : the place of art history in « Naturalis Historia ». Hermes 2014 142 (2) : 206-224.

大プリーニウス『博物誌』の最後の5巻(33-37巻)は金属,宝石の性質やその用途について書かれており,そうした技術に触れる機会を用いてプリーニウスは芸術史の梗概のようなものを描き出している.
この叙述において特徴的なのはそこに綴られた逸話(anecdote)の数々であり,それらが,著者の美所・美徳と見ていた点を明らかにするために機能していることが示される.
Hermes 2014 142 (3) : 279-297に続きの論文があって,プリーニウスの叙述が修辞学に根を持つことが論じられる.

21:11:27 @ncrt035@gnosia.info
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König, J., Woolf, G., 'Encyclopaedism in the Roman Empire', Encyclopaedism from antiquity to the Renaissance, Cambridge UP 2013: 23-63.

「百科全書主義」(encyclopedism)は,もちろんジャンルとしては古代に存在しなかった.
しかしそうした博識的なモチーフや企図,包括的・体系的に整理された知識という理念を持つ作品群を考察する必要はある.
ローマ帝政期はそのような「百科全書主義」の発展において重要な意味を持っており,この時代に焦点を当てて論じる.
取り上げられる作家はウァッロー,ケルスス,大プリーニウス,アウルス・ゲッリウスなど.