#読書
クオ・チャンシェン『ピアノを尋ねて』(訳:倉本知明/新潮社,2024年8月/原書:郭強生《尋琴者》2020年)
妻を亡くしたばかりの初老の実業家「林サン」と、その亡き妻に雇われていたピアノ調律師である中年男性「わたし」との、出会いおよび交流。そして子供の頃にはピアノの才を高く評価されたこともあったが、演奏家にはなれなかった「わたし」の回想。
ままならぬ人生のなかで、それでも何度かはつながりを持ちたい相手に出会い、途中まではうまく行きそうな予感があっても、ある時点で結局、自分は選ばれないのだと思い知らされる……という経験を重ねるうちに、歳をとっていく「わたし」。
〔つづく〕