【読了】カータン『健康以下、介護未満 親のトリセツ』(KADOKAWA,2020年4月)
高齢のご両親をサポートする日々を連作4コマ漫画の形式で。しんどい話も自他双方へのツッコミを入れたりしてねちっこくならずに描かれており、前向きなお人柄がうかがえる。本書の時点で、お父さまは目が不自由な要介護3、お母さまは認知症が出はじめた要介護1。夫さん側の叔母さまが施設に入居する際のエピソードも。
著者はお若い頃キャビンアテンダントをしてらしたということで、そういうのも関係しているのか、お年寄りのプライドを傷つけずに支援を受け入れてもらうための話運びとかが巧いな。勉強になります。でも楽々とそれをやってるんじゃなく、内心では葛藤・逡巡したり憤りを呑み込んだりしたうえでのアウトプットなんだというのが作中で吐露されているので、私も始めっから諦めの境地ではいかんな、と勇気づけられます。そして、元気だった頃の頼もしいご両親との暖かい記憶が、いまのご両親のお世話をする原動力になっているような描写に、やはり可能であれば意志の疎通ができるうちによい関係を築いておくことが大事なんだな、と。
〔つづく〕