興味あって、ネギの花の文化史的な側面について調べています。
ネギの花が意匠として美術・建築分野に顕れるのは、擬宝珠、そして葱花輦です。形がネギの花のつぼみ、いわゆるネギ坊主の形(実際にはタマネギと言ったほうがよりイメージしやすい)に似ているわけですが、いつ頃、どうしてネギ坊主が関連付けられたのか、詳しいことはわかりません。
ネットで調べられる範囲でわかったことは、
日本では、平安時代から葱花輦という名で、皇室用の輿のことがよばれていた(小右記)、また、ネギ坊主型をした屋根を持つ神輿がすでにそのころにはあった(年中行事絵巻、北野天満宮のずいき祭等)ことからかなり歴史はある。皇室の調度品と言うより神輿がすなわち神道が起源と思われます。
一方、擬宝珠は如意宝珠を模したものとも言われており、仏教界の意匠と思われます。両者のルーツは一緒なのか違うのか、なぜネギ坊主なのか、知りたく思います。
さらにルーツをたどると、onion dome に帰着します。タマネギ様の意匠は、特にロシア正教の教会ドームに多いですが、そのほかにも中部ヨーロッパのキリスト教の教会にも、イスラムのモスクにも、そして有名なタージマハルにも見られます。世界共通の意匠とも思われるのですが、どこを調べたら良いのかわかりません。調査のとっかかりをご教示いただけたら幸いです。(福島県立図書館)
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000324152