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昨日に引き続いて部屋に籠っている。
今日は、某オープンソース・ソフトウェアの日本語ドキュメントの保守作業。ずっとサボっていたので、英語ドキュメントとの差分がかなり溜っている。
3分の1ぐらい更新できた。が、飽きてきた。
そうそう、昨日の夜、夏目漱石『三四郎』を読み終えたので感想文を書こうか。
夏目漱石 - 『三四郎』
読みやすく、面白い小説だった。
読みやすさは『坊ちゃん』と同じぐらいで、私が今まで読んだ漱石の著作では最も読みやすい部類に入る。
面白さについては、漱石自身が書いた「『三四郎』予告」という短い文章がすべてを語り尽くしている。反則かも知れないが、これ以上は短くできないので、全文を引用する。
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田舎の高等学校を卒業して東京の大学に這入つた三四郎が新しい空気に触れる、さうして同輩だの先輩だの若い女だのに接触して色々に動いて来る、手間は此空気のうちに是等の人間を放す丈である、あとは人間が勝手に泳いで、自ら波瀾が出来るだらうと思ふ、さうかうしてゐるうちに読者も作者も此空気にかぶれて是等の人間を知る様になる事と信ずる、もしかぶれ甲斐のしない空気で、知り栄のしない人間であつたら御互に不運と諦めるより仕方がない、たゞ尋常である、摩訶不思議は書けない。
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『三四郎』は漱石の意図通りの小説になっている。漱石は自らの関心事について自ら考えて述べるのでなく、必要と思われる場所と人物を準備するにとどめて、彼らに勝手に行動させて観察する。
@nemu00 春にちょっと調子が悪くなって、でも、生活や野良仕事に差し支えるほどではないので放置してきました。今はかなり楽になってきているので、様子見しています。おそらく加齢性のものですので、だましだまし行くしかないかなと思っています。
夏目漱石 - 『三四郎』- 三つの世界と恋愛
主人公の三四郎によると、彼の前には三つの世界がある。
第一は、生まれ育った田舎の過去の世界。母と、母が勧める許嫁者がいる世界。
第二は、浮き世離れした学問の世界。尊敬する師がいる世界。
第三は、東京の富貴な人たちの世界。そして心惹かれる美しい女性がいる世界。
三四郎はどこに行きたいか。
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三四郎は床のなかで、この三つの世界を並べて、互いに比較してみた。次にこの三つの世界をかき混ぜて、そのなかから一つの結果を得た。──要するに、国から母を呼び寄せて、美しい細君を迎えて、そうして身を学問にゆだねるにこしたことはない。
結果はすこぶる平凡である。
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漱石さん、自分は三四郎じゃないもんから、気楽に結論を下させることが出来たわけだ。
ところで、この、田舎で質朴な許嫁者が待っているのに、都会で出会った富貴な美人の謎めいた言動に魅惑される、という話が漱石は大好きだな。いったい何回繰り返すんだろう。漱石の恋愛観、コリコリに固まっているな。この件だけで漱石に関する論文が書けると思う。(既にあるかも)
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夏目漱石 - 『三四郎』- 乞食と迷子
三四郎と他の主要登場人物4人が菊人形展へと歩いて行く混雑した道で乞食と迷子に出会うシーンがある。
誰も乞食に金を投げない。誰も迷子の世話をしようとしない。
それで良いのか、ということが私には気にかかる。漱石が書いたから気にかかるのであって、漱石が書いていなければ気にかけることは出来なかった。漱石はそういう事が気にかかるのだ。気にかかった以上は、登場人物たちに何か行為なり発言なりさせなくてはならない。
行為としては「平気で行き過ぎた」。
発言としては「場所が悪い(都会で人が多すぎる)」、「いまに巡査が始末をつけるにきまっている」、「わたしにかぎったことはない」等々。
で、それで良いのか、という事については、漱石は何も言わない。ただ、登場人物が自由に動くにまかせて、様子を観察する。心理を説明することはほとんどしない。主人公以外は特にそうだが、主人公にしても、ふわふわした曖昧な心理のままに行為し発言するに任せて、それを描写する。
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やっとのことで、某オープンソース・ソフトウェアの日本語ドキュメント保守作業が終った。github 上でプル・リクエストを発行したので、後は待つだけ。
東ヨーロッパの開発者が多いプロジェクトで、敬愛するリーダー S 氏はロシア人だ。あるとき「お前んところの文字は全然読めないね」と言ったら「カナ文字の日本人が何をほざく」と返された。
ロシアがウクライナに侵攻を開始した時、彼はあっちへ行ったり、こっちへ行ったり、自分と家族を守るために苦労していた。今どうしているかな。つまらない世界になってしまったものだ。