『音律と音階の科学』読み終わった。
基本波をひとつ固定し、そこによく調和する3^N倍波の列に適宜(1/2)^Mを乗じて1オクターブ以内に正規化すると (3^12)/(2^18)≒2.0279……より12音目でだいたい1オクターブ上に戻ってくるピタゴラス音階になる。しかしそのままだと一周しないので扱いにくい(端数のせいでうなりが発生する)。西洋音楽の歴史はこの端数をいかにして無害なとこに押し付け「およそ2」をちょうど2倍になるように扱うかの戦いであり、その結果が純正律や平均律である……という音階に対するエンジニアリングの仕組みと歴史を解説した本。隅々まで理解しようとせず、雰囲気で理解しても気楽で面白い。和音と倍音の関係にちょっとでも興味を持ったことがあるなら楽しめそう。