やっぱりこの、実際の過去改変は観測されたことがないって言いながらそのまま話を進めてるとこがすっきりしないんだよな。
サルちゃんは時間遡行ゲートが手元にある状態ではなかったからサルちゃんの解説が実証実験の結果をもって言っているものではないのは構わない。
時間遡行ゲートに使用回数制限のようなものがある場合もそれはしょうがないので実験無しでも構わない。
でもヤヌスは一応時間遡行ゲートが手元にある状況なんだから、自分の理論に確信を持つのも、本番の過去改変に取り掛かるのも、すぐに試せてすぐに結果を確認出来、尚且つ歴史に与える影響が少なくて済みそうな小さな過去改変実験を実際にある程度行ってからにすべきじゃない？と思うし、出来ればダムロックも信用して協力するならそれを前提にすべきよね。(まあダムロックはそこまで考えてないでも済みそうだけど、それはそれでヤヌスがダムロックの浅慮さに乗っかってるみたいになってしまう)
もしも自分は試していないけれど過去にそういう実証実験の結果があってそれを参考に言っているというのならまだ良いんだけれど、「観測されたことがない」って言ってる以上そういう過去の実験記録が存在しているわけでもない。

時間遡行ゲートの使用回数制限にあたりそうなものってどこかで何かあったっけ？？
でもその場合も実験が出来ない理由にしかならなくて、実例に関する情報無しに理論のみで物を言い過ぎってことには変わりないと思う。

ヤヌスにとってはダムロックとやっていることが実験みたいなものだから、ダムロックに話す解説内容も共同計画の結果もそこまで正確性が必要なものでもなく適当でも良いからとすれば、まあ……って感じではあるんだけど………

これは単純にヤヌスの過去改変の説明でどうしてそうなるのか分からなかったのでもう少し分かりやすく説明出来るなら誰かにしてもらいたい箇所なんだけど、過去改変が起きた時、生き返ったマーグラたちと一緒に過ごして来たはずのダムロックは消えるってところがよく分からない。
マーグラらを殺されてヤヌスと過去改変計画を実行したダムロックをA、生きていたことになったマーグラたちと一緒に生きていたダムロックをBとした時、ダムロックAの主観の世界からはダムロックBが消えるのはそれはそうなので分かる。
でも生き返ったマーグラたちから見てもダムロックBが消えてダムロックAにすり替わるところが分からない。
ダムロックAは本人の時間軸の中にいるから違う時間軸の中にいるBの存在を決して認識することが無い(AとBの同期は決して起こらない)というだけで、BもAと同時に存在し、マーグラたちから見るとAとBが重なり合ってるようなものがダムロックでその時々によりどちらとも同期し続けるというわけではないの？？
マーグラたちの同期対象がBからAに完全に切り替わってしまうのは何故？
ダムロックBという存在は過去改変が起きた時点で初めて生じるものだからそもそも最初からどこにもいないもので、マーグラたちが一緒に過ごしていたダムロック(B)なんて固有の時間軸を持つ個は存在しないのか。
でもそれだと生き返ったマーグラたちが生きていたことになって今まで過ごして来たことになる時間ってなんなの？
マーグラたちの時間軸の中にしか存在しないもので、それってマーグラらにとってのみの現実でそれ以外の者にとっては現実とは言えない時間になる。
結局生き返ったマーグラたちは元々生きていた者らとは微妙に同期のズレた違う現実を生きていくことにならないんだろうか？
他者と現在・現実を微妙に共有出来ない、それって生者って言えるものなんだろうか？？
分からない………

それぞれの個はそれぞれの時間軸の中にあるので他者と完全に現実を共有しているわけではなく、ただ他者と同期の起こる瞬間瞬間があるだけ。
それは分かるのだけど、なら、ただその者の内側の時間軸があるだけで、同期対象は最初から存在していない者なので誰との同期も無かった時間というのは現実なのか…？
いや結局現実の定義の話になるのか……
過去を改変したとして、その改変後の現実はそちらを生きてきた者の時間軸の中にしか存在しないもので、改変を起こした側(ダムロックA側)には同期・共有不可能なところにあるものにならないのか？改変を起こした側の主観は改変後の現実を現実のように認識出来るものなのか？？