割と今更気付かされたけど、(こっちの)ソロモンがブネみたいな恐いおっさんにも割と普通に懐いてて慕ってるの、じいちゃんがそういうタイプだからかーーー。
優しいけど他人のグロル村の人たちとは違って唯一の身内だと思ってた人がそういうタイプだったからって普通の感覚からのズレを抱えてるんね。

マルシャクちゃん、王都に向かってるチームだと思うけど、心配だよね………

復讐者でそのためには家族を捨てることもするようなところも、復讐のためにソロモンを便利に利用してるとこもそっくりだよなー、ダムロックとブネ。
そりゃソロモンも懐くよ。(そういうものが身内というものだって認知の歪みが少しありそう……)

今までのソロモンのヴィータとしての本名に関わるエピソードも良い話みたいな空気でやられて来たけど、でもその名前も「ダムロックの孫」としての名前なんだよなーーになってくるので本当、もう………
ソロモン的にはダムロックの孫としてだけではなくグロル村で呼ばれてた名前としての比重も大きい名前だろうけれど、「ダムロックの孫」としての名前としては役割によって与えられている名前であるソロモンとどっこいな感じしちゃうよな。

途中まで、レアムが時間遡行ゲートの利用により違う分岐世界線のソロモン2人に分裂したのかとちょっと思ったよね………
(6章で〆におけるタイムリープは歴史書き替えタイプだと散々言われてたからそんなことは起こらないとは分かってはいるんだが………)

ダムロック真実、ソロモンにとってのダムロックとブネが、威圧的で恐くて、保護者ポジションにいながら自身の復讐の道具としてソロモンを利用している、割と通じるとこがあるタイプなのに、うわぁぁ………となりながら、同時に今までソロモンとひいてはメギドのシナリオに対してなんとなくモヤってた部分が一気にすごい腑に落ちてスッキリしてるとこが本当両方があってですね……

今までうち見てる人は私がうっすらとあんまりブネ好きじゃないのなんとなく分かるかと(？)思うのですが、なんて言うかブネ単体でなら別に人間歳を取ったからって人間が出来てくものでもないからねーと足りない部分もそういう人として見れるのだけど、このもんやりする気持ちは、論理的ではない感情的な部分で年下の者や立場が下の者を威圧して空気を読ませることのあるタイプの大人が主人公に割と懐かれ右腕兼保護者としての立場に収まっちゃっていることに感じているスッキリしなさだったんだろうなと、ダムロックがブネにちょっと通じるとこのある、なんならブネよりもタチが悪いタイプなの見て思ったわけで……
(ソロモンが大きくなってるのもあるけど、ブネはまだ全然ちゃんとソロモンと対話してるし、自分が巻き込んだソロモンが役割を終えた後のことも一応考えてるもんなー。)
ブネ個人に対してと言うよりも、主人公であるソロモンにとってのブネの立ち位置、ブネみたいなタイプを好む、どこかダムロックに通じる属性に惹かれていってるソロモンに対するモヤモヤだったんだろうなと。
(ソロモンは軍団のメンバーに対してもだけど、それはそれ以前にダムロックの人となり、ダムロックと自分の関係性を客観的に見るところからまだ出来てなくて、だからそうなってるんだろうなぁって感があり)
(自分が受けてきた加害を加害と認識することを避けてる人間って、自分が直接的加害者にならなくとも、自分が受けたものと似たような被害を目にした時に加害者側を擁護して間接的加害者になりそうなところが恐いからね……)
ブネは良くもないけど、多分そんなどうしようもないほどは悪くもなくて、ただダムロックのもとで育ったことで認知の歪んだソロモンと最悪な形で相性が良過ぎただけなんやろな………
優しい大人が他に周りにいても一番身内意識、親しみを持てるのが復讐心で余裕をなくして威圧的になりがちなタイプなの、本当しんどすぎる………

けれど、ソロモンのそういう部分は育ちによって抱えたソロモンの認知の歪みとして多分ある程度意図的に書かれたものだったんだろうなと今回で思えたので、そこはめちゃめちゃスッキリしたしホッとしました。
そこが作品や書き手の素の価値観だったら、それこそ相容れなくてキツ過ぎたので………
でも6年半公式も散々ブネを主人公の頼れる右腕！保護者！みたいな扱いしてきておいて、今頃ソロモンのブネに対する親しみのその根底にあるものをこんなかなり最悪な形で明かしてくるのなんなんだよ。
よく6年半も伏せてきましたね、これ………
伏せられたままだったらずっとモヤったままになってたから、それだけでもこのゲームが6年半続いてくれて良かったですが………

ソロモンが他人から求められている役割に自分からハマりにいくタイプなのも、グロル村で受け入れてもらうためにそうなっちゃったのかと思ってたけど、それ以前のものなんじゃんねー！？
ブネもグロル村の人たちも今までちょっと濡れ衣着せてたの本当ゴメンね……

(ダムロックで言えばパイモンストやダムロックイベ等)最初見えてた部分ではちょっと乱暴なところはあってもまあ全然普通の人に見えていた人間が、人生めちゃくちゃになるとその人の最悪な部分が表に出て来ちゃうの、ライオ隊長でもそうだったパターンだけど、その最悪な面を一度見てしまうと当初の普通に見えていた頃の姿を見ても、追い詰められた時にはそうなってしまうその片鱗のようなものを微かに感じてしまうようになっちゃうの本当キツいよね………
でもキツいんだけど、そうやってああぁーーーってなる人物描写上手いよね………
ライオ隊長も今のキャラバンでは慕われてるだけじゃなくて、身体を壊すまでは生まれてくる子供のためにいっぱい稼ごうとしてたような(その稼ぐ手段の選び方を間違えたから道を踏み外したわけだけど……)元々は家族への情の深い人なわけで、ダムロックもライオ隊長も人生が壊れなければ潜在的に抱えているヤバさを露呈する機会はなくそれなりに良き父親として普通の人としての人生を終えられたのだろうなって思うし。
そういう、良い時も悪い時も人間性自体は一貫しているんだけど状況によって表に出る部分が変わるので見え方の変わる人の中の、状況を問わず内にある(良い意味でも悪い意味でも)一貫性になってる部分の描かれ方にベヒモスイベの頃からのメギドの人物描写らしさあるよね。

ダムロックがパイモンやマーグラさんと楽しく上手くやれていたのはその2人がちゃんとお互いやり返す時にはやり返すことの出来る対等性のある相手だったからだよなぁ………
状況の違いも当然あるけれど、対等だったパイモンと、完全に権力勾配のある関係だったソロモンとじゃ、そりゃなかなか同じ人間に対しても同じ見え方にはならない………

ダムロックにとって大切なレアムが懐いてる元追放メギドがよりによって、追〆狩りするなら真っ先にこっちを狙えよってヴィータへの害悪度で最上級レベルのヤツなの因果過ぎるな………

王都に行ってる組なんだと思うんだが、今の状況ではマルシャクですら出て来たらほのぼの担当ではなくしんどいことになる側になりそうで……​​
いや、そういう姿を見てみたい気持ちもそりゃあるけど(一緒にいると信じてるし……)、でもシャックスちゃん……………

(シアシアは王都住み組なのに王都に向かわなくて良いの？？？)

そう言えば思い出したけれど、Bパイモンストが二流止まりで一流になれなかった自分と違って孫には一流になって欲しいからと言いながら、本当は自分が出来なかったこと、未練になっていることを孫にさせようとしている祖父と孫の話だったのって、めちゃめちゃダムロックとソロモンの関係のフラグだったんですね。
(親子ではなくわざわざ「祖父と孫」だし、孫はソロモンと同じくらいの年齢って言及されてる。)
パイモンがモラアモセーレらに気を遣わせてたところと言い、大人の方が全然高圧的でなくたって若者のことを思う善意でやってたって、若者(子供)は大人が自分に望んでることを汲み取ってそれに合わせた振る舞いをするものだって話でもある。(それはソロモンもめちゃくちゃそういうタイプなわけで)
ここでは祖父もパイモンも、気を遣わせてたことや若者を昔の自分や旧友の代わりのように扱ってはいけないってことに自分たちからすぐに気付いて反省してるから、まあまあ綺麗な落とし所に落ち着いているけれど、ダムロックはどうなるんだろうな……

当然キャラスト前半の前提になってる状況だけ似てて後半の展開は全然関係無い違う方向性に向かう可能性も普通にあるものとして、
仮に、Bパイモンスト後半でやってる、本人の未練は孫に代わりにやらせてないで本人に晴らさせると言うのを今の状況の中でダムロックでもやるなら、あの時パイモンを召喚するなりすれば良かったって後悔を妄戦の中で叶える形で復讐を果たさせてやるとか…？？
一方でカタブツさんは奥さんの存在が心の中で最後のストッパーになってたって話してるのを見ると、ダムロックにはもうマーグラさんは……ともなってしまうとこもあり………(代わりになれるとしたらレアムなのかなぁ…？)
キャラスト最後もこれ↓だし、なんかこのキャラストの話としてはまあまあ綺麗にまとまってるけど、だけどダムロックの件はこんなスッキリ解決出来るような話か？？しちゃって良いものか？？とも思うし、どうなるんだろうなぁーー。

アモンくんにも言えることだけど、被害者側が加害者の自分に対する時とは違う善良であれていた時の姿を知ることって救いになるのか？って話で、一切聞きたくもなさそうなアモンくんと違ってソロモンは割とそのへん興味を見せるよねって思うんだけど、ソロモンは割と身内のことを正当化しようとする傾向があるので、ダムロックのこともそういう話を聞いて良い人だと思い込むことで自分が受けてきた被害を直視し認識することを避けてないか、とも思っちゃうから、うーん………てなるんだよぁ…………

(もちろん自分が酷い扱いを受けていたのだと認識すること自体が苦しいことなのでそれを避けようとすることはある種自然な心の動きではあるのだけど、昨日も言ったように、それをしていると自分と同じような第三者の被害を被害と認識出来ないから結果的にそこでの加害者側の肩を間接的に持つ人間になってしまうって問題があるからさぁ……)

この孫は裏表を使い分けている要領の良い子で、おじいちゃんには良い子としての面を見せていただけだったけれど、ソロモンは主人公なので残念ながらそういう裏表は無いってことが分かってしまってるのもねーー………

クズオ…！！クズオーー！！！！​​

昨日の、蓮のかほぎんに92、96年あたりのコノマモみを感じた話の続き？なんですけど、なんて言うか16bitも蓮も、現実の時間経過に添っていてはっきりと作中の出来事が現実の西暦何年の出来事かが示されているタイプの作品で、それが示されてることにより作中で明確に時間が経過していてキャラクターにも状況・環境にも色んな変化が起きているのだけど、そういう舞台設定だからこそ「あらゆるものは変化していく」ってことを物語としてどう描くのかということをやっていると思うんですよ、どっちも。

で、そういうテーマ性がある作品だからこそ、逆に、自分が子供の頃から元々あった慣れ親しんだ大好きなものに強く執着するが故に、それを押し流して行こうとする時代の変化に気持ちが付いていかず、何にも変わって欲しくないと(変化を受け入れないといけないぐらいならここを辞めると)言い出すある種保守的で頑固なキャラがメイン(どっちも主人公の相方になってくキャラ)に立てられるのだなと。

そういうキャラが、変化を仕方のない現実として折れて受け入れさせられるのではなく、主人公と関わることで、元々持ってる好きなものを好きな気持ちを失わないまま、もっと前向きな形で変わっていく世界に向き合えるようになっていく。
自分の愛している(消えて欲しくないと願っている)歴史・伝統とは、これまでそれに関わってきた色んな人たちの熱が築き上げたもので、今自分の目の前にいるこの人も正にそういう新しい歴史を作っていくような熱を持っている人だと思えた。
ただの出来事として起こる世界や自分の好きなものの変化は嫌だけど、具体的にその変化を起こしているのはきっとこんな人なのだろうと思える人に出会い、その人個人のことを、その人の抱える熱を好ましく思えてしまったから、そんな人が自分勝手に歴史を捻じ曲げて新しく作っていく世界のことも別に悪くないのかもしれないって思ってしまうような。
そして歴史とは今この瞬間にも新しく紡がれ続けているもので、新しく歴史を作っていっているこの人の隣にいることを選んだ自分もまた、新しい歴史、変わっていく世界の一部なのだと………そういう道筋で変化を嫌うキャラクターの変化というものの受容をやっている……のかな、と思った。

好きなものが形を変えていって、なんなら元々あったそのままのものはなくなってしまうことを嫌だと思う気持ちは自然なことで、だけどどんなものも時の流れの中で変わらないままあり続けることも有り得なくて、その現実と向き合わないと人は前に進んでいけない。
そんな中で諦めるのではない形で、世界の変化、好きなものの変化に向き合うにはどうすれば良いのかという命題に対して、16bitも蓮も、結果的に似た方法で似た答えを出しているのかなと思ったという話です。

前に、守くんは自分は変わりたくないし、世界にも何にも変わって欲しくないと言う人でありながら、16bitの作品の中では守くん自身が成長によって時の流れによる変化を具体的に見せるためのキャラなところ(原作で毎話毎話丁寧に年齢や学年書かれてるの守くんだけじゃないですか。若木先生ブログにもあったけれど、それが守くんが作品から与えられてる役割の1つなんだよね。)、本当とんでもなく皮肉だよねって言ったことあるけど、本人は変化に否定的な(だった)のに作品全体から見れば新キャラという形でそれまであったもの(6人で完成していた部、2人で完成していたスリブ)を壊す役割を与えられてしまっている吟子ちゃんもそのへんそうじゃないですか。
でも結局、当人が変化を嫌う人間であろうがなかろうが、その子も変化を続ける世界の一部である事実は動かしようがなくて、具体的に歴史はこうやって作られていっているのだという場面、同時に、変わっていく世界の渦中でありながらそれでも今自分はここにいたいのだと思える場所に身を置くことで、変わっていく世界の一部としての自分を少しずつ受け入れ、いつか自分がそうしたいってだけの理由と前向きな気持ちで身勝手に歴史を捻じ曲げてしまう側の人間になっていくんだろうなと。